Amazonで商品を販売していると、突然「出品制限」の壁にぶつかることがあります。
「新しい商品を仕入れたいのに、出品許可が得られない」「昨日まで出品できていた商品が、急に販売できなくなった」といった経験は、多くのセラーにとって悩みの種です。
本記事では、数多くの成功事例をもとに、出品制限を解除するための情報を提供します。
提出用の請求書テンプレ(ひな形)を配布し、申請手順、通過率を上げる制限解除のコツ、却下されたときの修正・再提出までを1本にまとめました。
この記事を読めば、出品制限に関するあらゆる疑問が解消され、自信を持ってAmazonでの販売活動に取り組めるようになるでしょう。
Amazon出品制限とは?

Amazonで商品を販売しようとした際、多くのセラーが直面するのが「出品制限」という壁です。
「なぜ自由に売らせてもらえないのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。
Amazonがこれほどまでに厳しい制限を設けている理由は、主に以下の3つの背景があります。
「偽造品(コピー品)」の排除とブランド保護
Amazonにとって最大の恐怖は、プラットフォーム上で偽造品が流通し、顧客の信頼を失うことです。
特に知名度の高いブランド(ナイキ、ソニー、レゴなど)は模倣品のターゲットになりやすいため、「信頼できるルートから仕入れている証拠(請求書)」を出せるセラーにしか販売を許可しないというスタンスをとっています。
これは、真面目に商売をしている正規セラーの利益を守ることにも繋がっています。
知的財産権の侵害トラブルを防ぐ
ブランド運営者から「無許可で販売されている」という苦情(知的財産権侵害の申し立て)が入るのを未然に防ぐ目的もあります。
Amazonは、ブランド権利者とセラーの間の紛争に巻き込まれるのを極端に嫌います。
そのため、最初から「メーカーが認めた卸売業者」等から仕入れていることを証明させ、法的トラブルのリスクを抑え込もうとしているのです。
商品の安全性と法令遵守(コンプライアンス)
特に「食品」「家電」「おもちゃ」などは、万が一法令違反品が流通した場合、消費者の健康や安全に直結します。
- 食品: 食品衛生法
- 家電: 電気用品安全法(PSEマーク)
- おもちゃ:消費生活用製品安全法
これらのカテゴリーに制限をかけることで、「責任を持って商材を扱えるプロフェッショナルかどうか」を、書類審査を通じてフィルタリングしています。
出品制限の解除が必要になるパターン

Amazonで商品を登録しようとした際、制限がかかるケースは大きく分けて3つのパターンに分類されます。
- カテゴリー単位の制限
- ブランド単位の制限
- 個別商品(ASIN)単位の制限
カテゴリー単位の制限
Amazon内の特定の「商品ジャンル」全体にかけられる制限です。
これは個別の商品以前に、「そのジャンルを扱うセラーとしての信頼性」が問われている状態です。
一度解除すれば、そのカテゴリー内の制限がないブランドや商品はすべて扱えるようになります。
具体的には、以下のサブカテゴリーに当てはまる商品を出品する場合には、出品制限の解除が必要です。
- カー&バイク用品
- ビューティ
- 服&ファッション小物
- 食品&飲料
- ヘルスケア&パーソナルケア
- ジュエリー
- 旅行かばん&トラベル用品
- シューズ・ハンドバッグ・サングラス
- 腕時計
ブランドの出品制限解除
カテゴリーに関わらず、特定のブランドに対してかけられる制限です。
偽造品対策や、ブランドの販路コントロールが主な目的です。
制限対象のブランドは、有名メーカー(SONY、パナソニック、任天堂など)から、Amazonが特定した中堅ブランドまで多岐にわたります。
カテゴリー制限を解除していても、ブランドごとに個別の解除が必要になります。
個別の商品(ASIN)の出品制限解除
カテゴリーやブランドには制限がなくても、特定の商品(ASIN)のみに出品制限がかかるパターンです。
並行輸入品、限定品、または過去に法的トラブルや安全性に懸念があった特定の商品などが該当します。
ASIN単位での個別対応が必要なため、一覧で事前に把握することが難しく、出品画面で申請表示が出たら、その商品は制限解除が必要と判断するのが確実です。
出品制限がかかっているか調べる方法

仕入れの判断をする前に、その商品に「制限のロック」がかかっているかどうかを特定する必要があります。
セラーセントラル上で以下の手順を踏むことで、現在の自分のアカウント状況を確認できます。
出品権限の「ステータス」を確認する
セラーセントラルのメニューから「カタログ」>「商品登録」へと進みます。
検索窓に、出品したい商品の「商品名」「JANコード」「ASIN」などを入力して検索します。

コンディション(新品、中古など)を選択した後、「この商品を出品する」ボタンが表示される場合は、出品制限の解除は不要です。
一方、以下の画像のように、「出品を申請」ボタンが表示される場合には、出品許可申請が必要になります。

新規出品(カタログなし)商品の制限確認
Amazonにまだ商品ページ(カタログ)が存在しない新規商品の場合、直接検索して制限を確認することができません。
その場合は、「類似する既存商品」を検索して、カテゴリー制限の有無を推測します。
未登録のオーガニックコスメを出品したい場合、同カテゴリーの有名ブランド品を検索してみます。
そこで「出品を申請」が出るなら、そのカテゴリー全体に制限がかかっている可能性が高いと判断できます。
複数の出品制限解除が必要な場合
1つの商品でも、複数の理由で出品制限の解除が必要になることがあります。
例えば、コカ・コーラを出品する場合、サブカテゴリー「食品&飲料」とブランド名「Coca-Cola」の2つの出品制限解除が必要です。

このように、カテゴリーとブランドの両方で制限がかかっている場合は、それぞれの申請を個別におこないます。
審査に通過するための「提出書類」の準備
出品制限を解除するための審査は、提出する「請求書」の精度ですべてが決まります。
Amazonの審査官が確認するポイントを、チェックリストとして整理しました。
請求書に記載すべき「必須5項目」
以下の項目が一つでも欠けていたり、不鮮明だったりすると、即座に却下の対象となります。
- 発行日: 申請日から180日以内に発行されたものであるか
- 購入者情報: Amazon出品用アカウントに登録している「氏名・住所」と完全に一致しているか(表記ゆれ厳禁)
- 発行元情報: メーカーまたは正規卸売業者の名称、住所、連絡先が明記されているか
- 数量: 対象商品の仕入れ数が合計10点以上になっているか
- 形式: PDFまたはJPEGなどの、編集・改ざんが不可能なファイル形式か
書類の種類と「信憑性」の判断基準
Amazonは書類の「発行元」を非常に厳しくチェックします。
有効な書類:
- 正規の請求書→メーカー直販の納品書、正規卸問屋が発行したもの
無効な書類:
- 小売店の領収書(楽天、Amazon、家電量販店、スーパー等)→ 現在の基準では、これらでの解除はほぼ不可能
- 見積書・発注書→実際に売買が完了したことを証明できないので不可
追加で要求される可能性があるもの
カテゴリーやブランド、商品によっては、請求書に加えて以下の書類などを求められるケースがあります。
- 商品のすべての側面を撮影した鮮明な写真
- ブランドの販売許可書(該当する場合)
- 安全性に関する証明書(必要な場合)
審査落ちを防ぐ「出品制限解除用」請求書テンプレート
制限解除申請をしたものの取引先から発行された請求書では通らないという方のために、「制限解除専用の請求書テンプレート」を作成しました。
Amazonの審査ではまず最初に、機械的に項目をチェックしているため、仕入れ先から発行された書類に1つでも不足項目があると、それだけで「信憑性不足」として却下されてしまいます。
もし、お使いの請求書に必要な項目(住所の一致や数量1通10点以上など)が足りない場合は、以下のテンプレートを仕入れ先に提示し、「この形式で再発行」を依頼してください。
請求書テンプレートの実例とダウンロード


運用上の注意点と「住所表記」のテクニック
これらのファイルはExcelで編集し、必ずPDF形式で出力して提出してください。
英語請求書について、英語の中に住所をあえて日本語にしているのは、Amazonのセラー情報に登録されている住所(日本語)と1文字のズレもなく一致させるためです。
Amazonの審査では、「登録データと書類データが完全一致しているか」が重要だからです。
出品制限解除の具体的な手順
出品したいブランドもしくはカテゴリーの商品を検索します。
ここで「出品を申請」が出れば、解除対象商品だと判断できます。
「カテゴリー」または「ブランド名」の出品申請ページへと進み、要件を満たす請求書を提出します。
テンプレートを使って再発行してもらった請求書はここで使います。
連絡がつくメールアドレスと電話番号を入力して送信すると審査手続きが完了です。
問題がなければ出品制限が解除されます。
STEP1.商品の検索
セラーセントラルのメニューから「カタログ」>「商品登録」へと進みます。
出品したいブランドもしくはカテゴリーの商品より、「出品を申請」へと進みます(この商品を出品するボタンが表示される場合は申請不要です)。

STEP2.カテゴリーまたはブランド名の出品申請
「カテゴリー」または「ブランド」の出品制限解除ページへ進むと、過去の販売実績など条件を満たしている場合は、「出品を申請」ボタンを押すだけで書類提出なしで審査が完了することがあります。
そのため、まずはワンクリックで解除できるかを確認しましょう。
ワンクリックで解除できない場合は、「商品の購入に対して、メーカーまたは販売業者が発行した納品書または領収書1通以上」の提出が要求されます。


要件に当てはまる書類なのか、チェックボックスに全て印がついたことを確認し、ファイルをアップロードします。
STEP3.連絡先を入力して送信
連絡がつくメールアドレスと電話番号を入力し、送信ボタンを押します。
Amazonの審査は通常、2~7営業日で完了します。
この間、追加書類の提出を求められることもあります。
セラーセントラルの「出品申請を表示」ダッシュボードで、定期的に申請ステータスを確認しましょう。
審査を通過するためのコツと最終チェックポイント
書類が形式通りに揃っていても、実は記載内容のちょっとしたズレで落とされるケースが非常に多いです。
再申請にならないために、送信ボタンを押す前に以下のポイントを必ず見直してください。
住所・氏名を一文字単位で完全一致させる
セラーセントラルの登録情報と、請求書に記載の住所・氏名・法人名などを一文字単位で完全に揃えてください。
- 全角・半角: 数字やスペースの全角・半角が混ざっていないか
- 丁目・番地: 「1-2-3」と「1丁目2番3号」のような表記の違いはないか
- 建物名: ビル名や部屋番号の有無まで、完全に一致しているか
商品名に加えて「型番や製品コード(JAN)」も載せる
商品名だけだと、Amazon側で特定に時間がかかったり、信憑性を疑われたりすることがあります。
必須ではありませんが、商品名に加えてJANコードや型番が載っていると、商品を特定しやすくなり、通過率がグッと上がります。
仕入れ先に依頼して、商品名+製品コードを併記してもらうのが最も安全です。
これはAmazon公式の「出品大学」でも推奨されているポイントです。
出典:Amazon出品大学「請求書承認の要件」
仕入れ先に「確認の電話」が来る可能性を伝えておく
Amazonは、書類の信憑性を確認するために仕入れ先へ直接連絡を入れることがあります。
そもそも連絡が取れないか、もしくは手違いで「そんな取引は知らない」と突っぱねられてしまうと、その時点で審査は終了です。
事前に「Amazonから確認の電話が来るかもしれないので、対応をお願いします」と一言共有しておくといいでしょう。
データの「加工」は絶対にNG
住所を書き換えたり、商品を追加したりといった編集は、Amazonから「偽造・改ざん」と見なされる最大のリスクになります。
もし項目が足りないなら、自分で直すのではなく、テンプレートを渡して「再発行」してもらうのが、結局一番の近道です。
写真ではなく「綺麗なPDF」で提出する
提出ファイルの品質で止まるケースにも注意が必要です。
- エクセルやワードファイルの場合はPDFに変換
- 端が切れていない
- 文字が拡大しても読める
- 影・傾き・反射がない
- 複数枚なら1つのPDFにまとめ、順番が分かるようにする
写真提出はブレが出やすいので、基本はPDFが安全です。
申請が通らない場合の最後の手段
「要件はすべて満たしているはずなのに、なぜか落とされる」ということが、Amazonでは稀に起こります。
そんな時の最終手段として、「1ヶ月以上の期間を空けて、改めて同じ書類で申請してみる」という方法があります。
これは公式なルールではありませんが、時間を置くことで審査の担当者が変わったり、システムの判定基準が微妙に変化したりして、すんなり承認されるケースを実際に何件か聞いています。
まずはこの記事で紹介したチェックポイントをすべて潰すことが先決ですが、それでもダメな場合は、一度頭を冷やして「時間を味方につける」のも一つの戦略です。
まとめ:出品制限の解除は、安定して稼ぐための「通過点」
Amazonの出品制限は、一見すると面倒な「壁」に感じますが、実際はライバルの参入を防いでくれる「守り」の壁でもあります。
ここを突破できるかどうかで、扱える商品の幅は劇的に広がります。大切なのは、Amazonのルールを正しく理解し、不備のない書類を準備する「丁寧さ」だけです。
- セラー情報と完全に一致した請求書を用意する
- 仕入れ先と連携し、必要なら再発行を依頼する
- もし落ちても、理由を特定して一つずつ潰していく
一度解除してしまえば、あとは自信を持って仕入れに集中するだけです。
ぜひこの記事のステップを一つずつ実践して、販売のチャンスを最大限に広げてください。

