Amazonセラーセントラルを利用していると、最初は「これから売上を伸ばしていこう」と意気込んでいても、時間が経つにつれて思ったような成果が出ずに悩むことがあります。
たとえば、売上が思うように伸びず利益が残らなかったり、毎月の大口出品料が負担に感じられたり、クレーム対応やレビュー管理に疲れてしまったりすることもあるでしょう。
こうした状況に直面すると、結果として「もうアカウントを解約しよう」と考えるのも自然な流れです。
ただし、Amazonの解約にはいくつかの選択肢と注意点があり、状況によって最適な選択は異なります。
安易にアカウントを閉鎖してしまうと、後で後悔する可能性もあるのです。
そこでこの記事では、Amazonセラーセントラルの解約方法について具体的な手順と知っておくべき注意点をわかりやすく解説していきます。
解約方法の種類と選択肢
Amazonセラーセントラルの「解約」には、大きく分けて2つの選択肢があります。
一つは出品用アカウント自体を完全に解約(閉鎖)する方法で、「今後一切Amazonでは出品しない」と決めた場合に行います。
もう一つは大口出品から小口出品へプラン変更してアカウントを残す方法です。後者ではアカウントを閉鎖せずに月額課金を停止し、出品を休止状態にしておくことができます。
大口出品契約のキャンセル(小口出品への変更)
大口出品の月額料金4,900円(税込)が負担な場合、小口出品プランへのダウングレードがおすすめです。
小口出品なら月額料金は不要で、販売手数料+1商品あたり100円の課金になります。
商品を販売しない場合は一切費用がかからないため、アカウントを残したままコストだけ削減可能です。
将来的に販売を再開したいときは再度大口プランに戻すだけでよく、データや評価も維持できます。
アカウントの完全解約(閉鎖)
Amazonでの販売事業から完全に撤退する場合は、出品者用アカウント自体をAmazonから解約(閉鎖)することになります。
この場合、アカウント内の販売実績や評価など全データが削除され、今後そのアカウントで出品はできません。
再びAmazonで販売したくなった場合でも、解約済みのアカウントは復元できず、新たに新規登録してゼロから開始する必要があります。
そのため、データ消失や実績リセットのリスクを十分に理解して慎重に判断しましょう。
もし「また販売を再開する可能性が少しでもある」「アカウントをまた使うかもしれない」と感じる場合は、完全に解約せず小口出品への変更と休止設定で対応する方が賢明です。
「二度とAmazonで販売しない」と明確に決めている場合のみ、アカウント閉鎖を選択するとよいでしょう。
大口出品契約の解約 – 小口出品プランへの変更手順
「Amazon販売は一旦やめたいが、アカウントは残しておきたい」という場合は、大口出品から小口出品へのダウングレードを行いましょう。
これにより月額固定費の支払いを止めることができます。
小口出品プランへ変更後は、必要に応じて「休止設定」を行い出品を一時停止することで、アカウントとデータを保持したまま販売活動だけ停止できます。
小口プランへの変更方法
セラーセントラルにログインし、右上の設定アイコンより「Account Info」を開きます。
そして「アカウントの概要」→「Amazon出品サービス」へと進みます。

「小口出品」を選択して変更を適用します。これにより小口出品プランへの変更ができました。
次回の課金タイミングで月額課金が停止されます。

休止設定の方法
小口プランに変更しただけでは、出品中の商品がある限り注文が入る可能性があります。
引き続き販売を停止したい場合、アカウントの「休止設定」で出品ステータスを休止中に切り替えます。
セラーセントラル右上の設定アイコンより「Account Info」を開きます。
そして「アカウントの概要」より、下の画像のオレンジ枠内「休止設定」へと進みます。

ステータスを「休暇中」に変更し、「保存」ボタンを押します。
これで出品中の商品がすべて購入不可となり、注文受付が一時停止します。
休止設定中もセラーセントラルへのログインや過去データの閲覧は可能です。

小口プランへ変更してから休止状態にすれば月額料金は発生しませんが、大口プランのまま休止状態にしても月額料は課金され続ける点に注意が必要です。
必ず大口から小口へダウングレードしてから休止設定を利用しましょう。
セラーアカウントを完全に解約(閉鎖)する方法
「もうAmazonで出品しない」という場合は、出品用アカウント自体の解約手続きを行います。
準備すべきことを済ませたら、次の手順でアカウント閉鎖リクエストを送信しましょう。
セラーセントラル右上の設定アイコンより「Account Info」を開きます。
そして「アカウントの管理」→「アカウントを閉じる」へと進みます。

「アカウントの解約を開始」へと進みます。

「アカウントの解約をリクエストする」を選択して、次へ進みます。

「アカウントを完全に解約するオプションが選択されています。続行しますか?」→「はい」を選択して次へ進みます。

「入荷待ちの在庫、販売不可の在庫、または入出荷作業中のFBA在庫はありますか?」→「いいえ」を選択します。
もしそれらの在庫がある場合には、先に返送または所有権の放棄をする必要があります。

最後に「アカウントを完全に解約する手続きを進めますか?」→「はい」を選択して次へ進みます。
「アカウントを解約する」ボタンを押すと、アカウントの完全閉鎖が完了します。

リクエスト送信後、Amazonから確認メールが届きます。
件名は「出品用アカウントの解約について」等で、解約手続きを受け付けた旨が記載されています。
通常、条件がすべて整っていれば数日以内に解約処理が完了し、最終的に「アカウントを解約しました」という通知メールが届きます。
もし解約が完了せず、Amazonから「**の理由でアカウントを解約できませんでした」というメールが届いた場合は、その指示に従って対応します。
多くの場合、未出荷の注文や未処理の取引など解約の条件が満たされていないことが原因です。
メールには解約を完了するために必要な手順が記載されているので、問題を解決した上で再度解約リクエストを行ってください。
どうしても手続きがうまく進まない場合は、セラーセントラルのヘルプページからテクニカルサポートに問い合わせをして指示を仰ぐこともできます。
解約をする前に…
Amazonセラーセントラルを「解約したい」と感じるのは、売上が伸び悩んだり、コストが負担に感じたり、思ったような成果が出なかったりするからではないでしょうか。
しかし解約してしまう前にもう一度考えてほしいのが、「売り方」や「商品選び」を変えるだけで状況が一変する可能性です。
たとえば、単なる転売や仕入れ販売では価格競争に巻き込まれて利益が薄くなりがちですが、自分だけのオリジナル商品を企画・販売する手法を取れば、価格競争を避け、安定して利益を積み上げることが可能です。
実際に私自身も、オリジナル商品をAmazonで展開することで、1商品で月商数千万円規模まで成長させた経験があります。
解約を決断する前に、以下のオリジナル商品を販売する方法をご覧になっていただき、是非もう一度“別の選択肢”を検討してみていただきたいです。

解約前に確認・準備すべきポイント
アカウントのプラン変更や閉鎖の手続きを行う前に、トラブルを避けるため以下の点を必ず確認・対応しておきましょう。
- 出品の停止・在庫処分
- 未出荷の注文の確認
- 返品・返金処理
- 最終販売日から90日経過
- 売上金の受取確認
- 重要データの保存
以下、それぞれ詳しく説明します。
出品の停止・在庫処分
まず現在出品中の商品をすべて出品停止にします。
具体的には、在庫数を「0」に変更するか出品自体を終了してください。これにより手続き中に新たな注文が入るのを防げます。
FBA在庫がある場合は、在庫を全て引き上げる必要があります。
セラーセントラルの在庫管理画面から、該当商品を選択して「返送/所有権の放棄」をおこない、残り在庫を返送または廃棄する手続きを完了させましょう。
在庫が残っている場合、アカウントの解約ができません。
未出荷の注文の確認
受注済みで未発送の注文が残っていないか確認します。
発送待ちの商品や予約注文がある場合、その状態では解約申請ができません。
必ず全ての商品を発送済みにするか、予約注文はキャンセルの連絡を入れるなどして、未出荷のものがない状態にしてください。
返品・返金処理
返品受付中やキャンセル対応中の取引が残っていないかもチェックします。
保留中の返品依頼や返金処理はすべて完了させてから解約に進みましょう。
特にFBA利用時は、返品やキャンセルにより倉庫在庫が復活している可能性もあります。
最後の販売から90日経過するまでの間に返品があった場合は在庫が戻るため、解約前に再度在庫がゼロになっていることを確認してください。
最終販売日から90日経過
Amazonでは購入者保護の観点から、最後に商品を販売してから90日間はアカウントを維持する必要があります。
マーケットプレイス保証(A-to-z保証)の申請期間が購入後90日間あるため、この期間内にアカウントを閉鎖することはできません。
したがって、直近の注文から90日が経過しているかを確認し、満たしていない場合はその期間が過ぎるまで解約手続きを待ちましょう。
売上金の受取確認
アカウント内に未入金の売上金(未払い報酬)が残っていないか確認します。
解約後はセラーセントラルにログインできなくなるため、銀行口座の変更や振込状況の確認が一切できなくなります。
万が一口座エラー等で振込が失敗すると対応不能になるため、最終の入金が完了するまで解約を待つ方が安全です。
Amazonは解約後でも未払いの売上金は指定口座に振り込んでくれますが、念のため最新の銀行情報が登録されていることを確認し、残高をできるだけ0にしておきましょう。
重要データの保存
セラーアカウントを解約すると販売履歴や顧客情報、注文データはすべて閲覧不能になります。
請求書や領収書の再発行もできなくなるため、必要なデータは事前にすべてダウンロード・バックアップしておきましょう。
特に会計・税務上必要な取引記録や帳票類は、法律で定められた保存期間(日本では7年間など)保管する義務がありますので、解約前に必ず保存してください。
以上の準備が整っていないと、解約リクエストを送っても拒否されたり手続きが完了しなかったりする原因になります。
スムーズに解約するために、ひとつひとつ確実に対応しましょう。
月額登録料の停止タイミングに関する注意
大口出品者の月額登録料(4,900円/月)を止めるには、上述の通り小口出品プランへ変更するか、アカウント自体を閉鎖する必要があります。
ここで注意したいのは、課金停止のタイミングです。
小口出品プランへの変更の場合
小口プランへのダウングレードは月単位の適用となります。
切り替え操作をした時点では即時反映されず、「次回の決済日」すなわち次の月額課金サイクル開始時から小口プランとなります。
無駄な料金を払いたくない場合は、次回課金が発生する前にプラン変更手続きを済ませるようにしましょう。
アカウント閉鎖の場合
アカウントを完全解約した場合、原則としてその時点で月額課金は発生しなくなります。
既に支払った当月分の月額料金については日割り返金などは基本ありませんので、タイミングによっては解約月の料金はまるまる支払うことになります。
アカウントの閉鎖をするまでには、最終販売日から90日経過する必要があるので、いきなりアカウントの閉鎖をするのではなく、まず小口出品プランへの変更を挟む方が月額利用料の無駄を防げます。
休止中の場合
前述のように、大口プランのまま出品ステータスを停止中(休止)に設定していても月額費用は請求され続けます。
長期休業や一時撤退の場合は、休止する前に必ず小口プランへ変更しておきましょう。
小口プランであれば休止中も月額費用はかかりません。
Amazonアカウント解約についてのFAQ
- Amazon出品アカウントを解約した後に再開は可能ですか?
-
解約したアカウントを再度有効化することはできませんが、新たに別のアカウントを新規登録することでAmazonでの販売を再開すること自体は可能です。
つまり、Amazonでまた出品したくなったら、一からセラー登録をやり直す必要があります。
その際、以前の取引実績やストア評価は引き継がれませんので注意してください。
もしAmazonで再出品する可能性がある場合には、アカウントの解約ではなく、小口出品プランへの変更をおすすめします。
この場合、月額利用料はかからずに済みます。
- 解約後に請求書や領収書を再発行してもらえますか?
-
できません。
アカウント閉鎖後はレポート画面にアクセスできなくなるため、必要な帳票や売上データは事前にダウンロード・保存しておきましょう。
- 維持費がかからない小口出品プランではなく、完全に閉鎖するメリットはありますか?
-
基本的にはあまりありませんが、もう完全にAmazonでの販売はやめるという場合には以下の観点からアカウントを閉鎖した方がいいです。
●誤操作や不正利用のリスクを防げる
アカウントを残していると、万が一第三者に不正アクセスされた場合に利用されるリスクがあります。閉鎖すればそうした心配はなくなります。
●ビジネスを完全に整理する場合
会社の清算や個人事業の廃業に伴い、取引アカウントを完全に消す必要がある場合には閉鎖が必須です。
ただし、一度閉鎖すると販売実績や評価が完全に失われ、再開はできないため、再出品の可能性が少しでもある場合は小口プランへの変更に留める方が安全です。
まとめ
以上、Amazonセラーセントラルの解約に関する手順と注意点を解説しました。
Amazonセラーセントラルの解約には、「小口出品への変更」と「アカウントの完全閉鎖」という2つの選択肢があります。
将来的に再開の可能性があるなら、小口出品プランに切り替えておくのが安全です。月額料金はかからず、データや評価を保持したままアカウントを維持できます。
今後一切Amazonで販売しないと明確に決めているなら、完全閉鎖を選ぶのも一つの方法です。ただし、一度閉鎖すると実績や評価は失われ、再出品時には新規登録からのスタートになります。
いずれを選ぶ場合でも、在庫処分・未出荷注文の対応・売上金の確認・重要データの保存といった事前準備は必須です。準備を怠ると解約手続きがスムーズに進まなかったり、思わぬトラブルにつながる可能性があります。
「しばらく休止したい」のか、「完全撤退したい」のか。
自分の状況と今後のビジネス方針を踏まえ、最適な方法を選んでください。
そして、解約を考える理由が「売れない」「利益が残らない」という課題であれば、オリジナル商品販売という新しい選択肢もぜひ検討してみてください。