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Amazonセラーセントラル完全解説|機能、登録方法、初期設定まとめ

Amazonで商品販売を始める際に欠かせないのがAmazonセラーセントラルです。

Amazonセラーセントラルは、個人の副業から本格的な法人ビジネスまで、あらゆる出品者が商品の出品管理や在庫管理、注文処理、広告運用などを一元管理できる強力なツールです。

本記事では、Amazonセラーセントラルの基本機能や使い方から、登録方法、初期設定、トラブル対処法に至るまで、セラーセントラルに関する役立つ知識とノウハウを網羅的に解説します。

目次

Amazonセラーセントラルとは何か?

Amazonセラーセントラル(通称セラセン)とは、Amazonで商品を販売する事業者向けの出品者専用管理ツールです

通常の購入者アカウントとは異なり、出品用のAmazonアカウントでログインし、このセラーセントラル画面を通じて商品登録、在庫管理、注文処理、マーケティング、売上分析など、販売に必要なあらゆる業務を一括して行えます。

言わば、Amazon販売での「司令塔」となるシステムで、これを使いこなすことで効率的な販売運営が可能になります。

セラーセントラルにはスマートフォン用の公式アプリ「Amazon Seller」もあり、在庫や注文の確認、価格調整など基本的な操作が可能です。

ベンダーセントラルとの違い

Amazonにはセラーセントラルの他に「ベンダーセントラル」という出品者用ツールも存在します。

両者はしばしば混同されますが、利用条件や販売形態が大きく異なります。

以下は表は主な違いの概要です。

特徴セラーセントラルベンダーセントラル
利用条件誰でも登録可能Amazonから招待された企業のみ
販売形態事業者が直接Amazonユーザーに販売事業者がAmazonに商品を卸し、Amazonが消費者に販売
出品手数料大口:月額5,380円
小口:1商品110円
なし(ただし販売価格の40%〜70%でAmazonに卸す必要あり)
販売手数料販売価格の5~15%なし
販売管理価格設定・在庫管理・注文処理・広告運用を事業者が実施価格設定・在庫管理・注文処理・広告運用をAmazonが実施

セラーセントラルは、販売や価格を自由にコントロールできて利益率も高めですが、管理はすべて自分で行う必要があります。

一方、ベンダーセントラルは、販売や管理をAmazonに任せられて手間は少ないものの、安めの卸値販売となるため利益率は低めです。

どちらにもメリットとデメリットがあるため、自社の体制や販売戦略に合わせて選ぶことが大切です。

Amazonセラーセントラルの機能

Amazonセラーセントラルでは、出品から販売後の対応までワンストップで管理できます。

出品者が必要とする機能を網羅的に備えており、これ1つでAmazon販売のほぼ全てのオペレーションが完結します。

以下は主要な8つの機能です。

  • 商品登録・編集
  • 在庫管理
  • 注文管理
  • 顧客対応
  • 販促管理
  • 支払い管理
  • 各種レポート閲覧
  • テクニカルサポートへの問い合わせ

それぞれの機能について順に解説します。

商品登録・編集

セラーセントラルでは、新規商品のページ作成や商品情報の編集が可能です。

セラーセントラル上部メニューの「カタログ]「商品登録」からおこないます。

商品登録とはいっても、新規にAmazonに存在しない商品を追加するだけでなく、すでにAmazonにある商品を出品することもできます。

Amazonでは、同じ商品は基本的に1つの商品ページに集約されます。

そのため、Amazonに既に出品されている商品に関しては、その既存の商品ページに自分の在庫を追加して販売することになりますが、これを相乗り出品と呼びます。

Amazonにない新規商品の出品と相乗り出品では以下のように少し操作が異なります。

商品登録の方法
  • 新規出品:Amazonカタログにない商品を追加
    商品画像やタイトル、詳細説明、カテゴリーなどを入力して出品ページを作成
  • 相乗り出品:既存の商品ページに相乗りする形で出品
    商品名やJANコードで検索し、販売価格などを入力するだけで出品が完了

作成した商品カタログは、「出品情報の編集」より後から変更・追加することも可能です。

在庫管理

セラーセントラル上部メニューの「在庫」では、在庫の確認・調整・補充が可能です。

また、価格変更やFBAへの納品も「在庫」からおこなうことができます。

FBA(フルフィルメント by Amazon):在庫をAmazon倉庫に納品すると、発送・返品・顧客対応までAmazonが代行してくれる仕組み

AmazonではFBA出荷と自社出荷の2種類から選択することができます。

そのため、在庫関連の画面は2種類あります。

  • 在庫管理:全在庫(自社発送+FBA)の確認・編集用
  • FBA在庫管理:FBA在庫の補充・納品に特化した画面

「在庫」メニューでは次のような操作がおこなえます。

在庫管理の主な操作
  • 在庫と価格の確認・編集
    「在庫管理」画面で商品ごとの在庫数・価格などを確認し、必要に応じて編集します。
  • FBA在庫の補充
    在庫が少なくなった商品は「納品」から納品手続きを行います。
  • 一括更新(オプション)
    SKUが多い場合は、在庫ファイルを使って在庫数や価格をまとめて更新できます。

在庫と価格に関する操作は、「在庫」メニューからできると覚えておくといいでしょう。

注文管理

セラーセントラル上部メニューの「注文」では、顧客からの注文を一覧で確認し、出荷作業や返品対応などがおこなえます。

注文」メニューでは次のような操作がおこなえます。

注文管理の主な操作
  • 注文の確認
    「注文管理」で注文状況(注文日、出荷済み、キャンセルなど)を確認
  • 自己発送(FBM)の出荷対応
    注文確定後に納品書を商品と同梱して発送し、出荷通知を送信
  • 返金対応
    各注文の詳細より、「注文を払い戻す」から返金が可能

なお、FBA商品はAmazonが自動で出荷・配送・返品対応まで実施してくれるので、注文後の個別作業は不要です。

顧客対応

セラーセントラルでは、顧客からの問い合わせや返品リクエストに対応できます。

右上のメールアイコンより、購入者への返信が可能です。

出荷通知や返金対応などについては先ほどの「注文」メニューからおこなうことができるので、こちらは問い合わせ対応専用です。

なおFBA発送の商品であっても、ほとんどの顧客対応はAmazonが代行しますが、購入者からのメッセージは届く場合があるため確認が必要です。

販促管理

セラーセントラルでは、以下のような販促機能を利用することができます。

注文管理の主な操作
  • 広告
    検索結果や競合商品ページでの露出拡大
  • タームセール
    期間限定の割引販売による集客
  • クーポン
    検索結果や商品ページで割引を表示し購入率向上

広告

セラーセントラル上部メニューの「広告」→「広告キャンペーンマネージャー」より、広告の出稿・管理がおこなえます。

広告には以下の4種類があります。

Amazonスポンサー広告の種類
  • スポンサープロダクト広告
    キーワードや類似商品を狙った広告
  • スポンサーブランド広告
    商品検索結果に表示されるクリエイティブ広告
  • スポンサーディスプレイ広告
    Amazon内外のオーディエンスにリーチする広告
  • スポンサーTV広告
    Twitchで視聴者にリーチする広告

これらの広告をそれぞれ目的に応じて使い分けることができます。

広告を利用することで、商品ページの露出を増やし、販売機会を拡大することが可能です。

タイムセール

セラーセントラル上部メニューの「広告」→「タイムセール」から設定できる販促機能です。

セールの種類
  • 数量限定タイムセール
    在庫数量を限定して販売する短時間のセール(最大12時間)
  • お買い得情報(旧:特選タイムセール)
    1~14日の期間で設定できる長期セール
  • 大型セールイベント
    プライムデーやブラックフライデーなどの大規模セール

これらのセールを活用することで、商品の露出拡大につながり、短期間での売上創出や在庫消化を促進できます。

クーポン

商品ページや検索結果に割引を表示し、購入者が適用できる販促機能です。

割引率はパーセンテージまたは固定額を選択でき、複数商品にまとめて設定することも可能です。

クーポンを設定すると、商品が「お得感」を持って表示され、成約率の向上が期待できます。

支払い管理

出品者の各取引ごとの売上、販売手数料、FBA手数料、広告費用、返金・キャンセルなどのすべての入出金を一元管理できる機能です。

セラーセントラル上部メニューの「支払い」→「ペイメント」から「ペイメントダッシュボード」を開くことで確認できます。

ペイメントダッシュボードでは以下のようなことができます。

ペイメントダッシュボードで確認できること
  • 一覧
    決済期間ごとの純利益、売上・返金・手数料などの内訳の確認
  • トランザクション
    1件ごとの売上・手数料・返金などの詳細確認
  • 支払い
    Amazonから銀行口座への振込日・振込金額の確認

これらの情報はすべてエクスポートでき、会計処理や帳簿管理にも役立ちます。

各種レポート閲覧

セラーセントラル内の「レポート」タブからビジネスレポートやフルフィルメントレポートを確認できます。

主に以下のようなレポートが利用できます。

主なレポート
  • ビジネスレポート
    商品別の売上、PV数、CVR(転換率)などの確認
  • 広告レポート
    広告の表示回数、クリック数、検索用語など細かいデータの確認
  • 在庫レポート
    FBA在庫の変動を確認
  • 手数料レポート
    FBA在庫に対する手数料を確認

これらのレポートはオンラインで閲覧またはCSV形式でエクスポートでき、様々な分析に役立てることができます。

テクニカルサポートへの問い合わせ

画面右上の「ヘルプ」から、出品者向けのAmazonテクニカルサポートに問い合わせが可能です。

様々な項目を選択することができますが、これらの項目をクリックしてもヘルプページに飛ばされるだけなので、「私の問題は掲載されていません」を選択する必要があります。

サポートへの問い合わせ方法は以下の3つです。

連絡方法対応時間回答までの目安
電話9:00〜21:00即時対応
チャット9:00〜21:00即時対応
メール24時間受付1営業日以内に回答

テクニカルサポートに問い合わせることで問題が解決できる場合があります。

その他のセラーセントラルの機能

これまで説明してきた主要機能以外にも、セラーセントラルには以下のような便利な機能があります。

ペイメントダッシュボードで確認できること
  • ストア
    自社ブランド専用のストアページを作成・管理
  • パフォーマンス
    アカウント健全性、出荷パフォーマンスなどパフォーマンス指標の確認
  • ブランド
    ブランド分析やブランド保護などブランド保有者向けの機能
  • Amazon出品大学
    Amazon公式の学習コンテンツ
  • セラーフォーラム
    出品者同士で質問・相談ができるコミュニティフォーラム

これらの機能を活用することで、Amazonでの販売を効率的かつ安定的に運営できます。

Amazonセラーセントラルのアカウント開設に必要なもの

Amazonで販売を開始するには、まずAmazon出品用アカウントの作成が必要です。

Amazon出品アカウントを作成する前に、以下のものを準備しておきましょう。

出品アカウント登録のために必要なもの
  • メールアドレス
  • 電話番号
  • クレジットカード(デビットカード)
  • 銀行口座
  • 顔写真付き本人確認書類
  • 取引明細書

メールアドレス

セラーセントラルで使用するメールアドレスを用意します。

既存の購入者用Amazonアカウントで使っているメールアドレスとは別のものを用意する必要があります。

Gmailなどのフリーメールでも問題なく審査は通ります。

色々な通知が届くので、普段使っているメールアドレスにしておくといいです。

電話番号

アカウント登録時やログイン時に電話番号のSMS/音声認証がおこなわれるため、電話番号を1つ用意する必要があります。

電話番号は、お問い合わせ先としてインターネット上に公開されるため、顧客から問い合わせや連絡が入る可能性があります。

そのため、プライベートな携帯番号ではなく事業用の番号を使用する方が望ましいでしょう。

クレジットカード(デビットカード)

出品用アカウントでは、月額登録料や広告費などの各種手数料の支払いにクレジットカード(Visa、Mastercard、American Express、JCBなど)の登録が必要です。

これらの手数料は、基本的には売上金から相殺されますが、売上金が手数料を下回る場合は登録したクレジットカードに請求がいく仕組みになっているため、登録が必要です。

また、デビットカードでも登録可能です。ただしカードの種類によっては使えないことがあるらしいので注意が必要です。

私自身は、法人名義の銀行口座に紐づいたデビットカードで問題なく運用できています。

銀行口座

売上金の振込先となる銀行口座を準備します。

日本国内の銀行口座であればどの銀行でも構いません。

口座名義は出品アカウントの登録名義と一致している必要があります。

顔写真付きの本人確認書類

有効な顔写真付きの身分証明書を1点用意します。

具体的には、運転免許証またはパスポートが利用可能であり、マイナンバーカード(個人番号カード)は本人確認書類として使用できません。

また、これらの書類の画像を用意するだけでは不十分で、後ほど認証用アプリ上で書類の原本を直接撮影する必要があるため、現物を手元に用意しておく必要があります。

取引明細書類

本人確認の補助書類として、取引明細書類の提出が求められます。本人確認の一環であり、不正出品やなりすまし防止を目的としています。

なお、これは事業としての取引先との取引実績を確認するための書類ではありません。

そのため、まだ事業の実態がない新規出品者の方でも問題なく提出可能です。

以下のようなものが該当します。

  • クレジットカードの利用明細書
  • インターネットバンキングの取引明細
  • 預金通帳

上記のいずれかを準備しましょう。電子明細を提出する場合は、PDF形式のファイルが必須であり、画面のスクリーンショットや撮影した画像は使用できません。

PDFデータは、銀行やクレジットカード会社のマイページなどから発行・ダウンロードすることができます。

一方、紙の明細書や通帳を使用する場合は、スキャナーでの読み取りやスマートフォンなどで撮影した画像での提出が可能です。

Amazonセラーセントラル登録の手順

それでは、実際にAmazonセラーセントラルのアカウントを開設する手順を見ていきましょう。

以下に登録の流れをステップ形式で説明します。

STEP
Amazonの登録ページにアクセス

「さっそく始める」ボタンより開始する。

STEP
Amazon購入アカウントへのログイン/新規作成

Amazon出品アカウントの作成には、購入アカウントが必要。

STEP
事業形態の選択

事業形態が個人なのか法人なのかを選択する。

STEP
会社情報の入力(法人の場合)

法人の名前、住所、法人番号などを入力する。

STEP
出品者情報の入力

出品者の名前や住所などを入力する。

STEP
請求情報の入力

クレジットカードもしくはデビットカード情報を入力する。

STEP
ストア情報の入力

店舗名などを入力する。

STEP
認証情報の入力

顔写真付きの本人確認書類、取引明細書を提出する。

STEP
本人確認

指示に従って本人確認書類や顔を撮影する。

Amazonの登録ページにアクセス

Amazon登録ページにアクセスし、「さっそく始める」へと進みます。

Amazonで出品を始めるには

Amazon購入アカウントへのログイン/新規作成

出品用のAmazonアカウント(セラーアカウント)として使用するメールアドレスでログインもしくはアカウントの新規作成をします。

購入アカウントに関しては、複数アカウント禁止ではないので、普段使っているものとは別に作成しても問題ありません。

また利便性の観点からも、別に購入アカウントを作成して、そちらに出品アカウントを紐づけることをおすすめします。

購入者用アカウントをそのまま使う場合はメールアドレスとパスワードを入力してログインします。

新規に作成する場合は「Amazonアカウントを作成」ボタンをクリックします。

出品アカウントログイン

次に、氏名・メールアドレス・パスワードを入力します。入力後、「次へ」を押すと登録したメールアドレス宛に確認コードが送信されるので、メール内の6桁コードを画面に入力してください。

出品アカウント作成

コードを正しく入力し「アカウントの作成」をクリックすると、Amazonへのログイン/認証が完了します。

購入アカウントと出品アカウントはログイン情報が共通のため、これで出品アカウントへのログインも可能な状態になりました。

ただし、出品アカウントの初期設定をすべて完了させない限り、正式に利用を開始することはできません。

次のSTEPからは、出品アカウント開設に必要な情報を入力していきます。

事業形態の選択

「事務所の所在地(国)」、「事業区分(個人もしくは法人)」、「事業者の氏名」を入力します。

規約をしっかり読んで、「同意して続行する」ボタンを押します。

事業形態の選択

会社情報の入力(法人の場合)

「法人名(英語表記)」、「法人名(日本語表記)」、「法人番号」、「会社住所」、「電話番号」を入力します。

会社情報

法人名(英語表記)を入力する際には、少し注意が必要です。

株式会社や合同会社に直接該当する英語はなく、日本の会社名は英語表記する場合にやや表記ゆれがあります。

任天堂株式会社(Nintendo Co., Ltd.)、株式会社みずほ銀行(MIZUHO BANK, Ltd.)、楽天株式会社(Rakuten, Inc.)、合同会社グーグル(Google LLC)などのように、一般的には、「Co., Ltd.」、「Ltd.」、「Inc.」、「LLC」が使用されます。

株式会社の場合は「Co., Ltd.」、合同会社の場合は「LLC」にしておくと問題ないです。

出品者情報の入力

「出品者本人の氏名」、「国籍」、「出生国」、「生年月日」、「身分証明書の種類(発行国)」、「身分証明書の番号」、「住所」、「電話番号」を入力します。

「私は、個人または登録されている会社の代理として行動することを確認し、変更が行われるたびに受益者の情報を更新することに同意します。」にチェックを入れ、「次へ」と進みます。

出品者情報

請求情報の入力

+新しいクレジットカードを追加」より、クレジットカードもしくはデビットカード情報を入力します。

請求情報

ストア情報の入力

ますはストアの店舗名を入力します。

既に利用されている店舗名は「利用できません」と表示されて次に進めないので利用できる名前に修正します。

また、「すべての商品にUPC(Universal Product Code)が付いていますか?」、「ブランドを所有していますか?または、Amazonに出品する商品について、ブランドの代理人、代表者、メーカーのいずれかの役目を果たしていますか?」という質問に、正しく回答し、「次へ」と進みます。

ストア情報

認証情報の入力

既に入力した情報が正しいのか確認し、身分証明書と取引明細書の提出をおこない、「次へ」と進みます。

認証情報

本人確認

本人確認専用のサイトに、スマートフォンでアクセスします。

ここではなりすましを防ぐため、カメラを使って顔と本人確認書類を複数の角度から撮影するよう求められます。

画面の指示に従って撮影を進め、最後まで完了すると認証手続きが終了します。

なお、本人確認書類は郵送でも提出可能ですが、完了までに日数がかかるため、スマートフォンでのオンライン認証をおすすめします

本人確認

ここまでの入力と書類提出が完了すると、Amazonによる審査が開始されます。

審査では提出された情報や書類がチェックされ、不備や疑わしい点がないか確認されます。

通常、入力内容や書類に問題がなければ、約2~3営業日ほどで審査が完了し、アカウントが承認されます。

一方、書類不備や情報の誤りがあった場合はAmazonから登録メールアドレス宛に再提出・修正の依頼連絡が届きます。

その指示に従い、必要に応じて書類をアップロードし直したり追加情報を提供しましょう。

また、場合によっては審査過程で本人確認のためのビデオ通話(ライブ面談)が求められることがあります。登録内容送信後に画面上でビデオ通話の日程予約画面が表示された場合は、案内に従って希望日時を予約してください。

ビデオ通話はオンライン面談形式で、所要時間は10分程度です。指定日時になるとAmazon担当者とウェブ上でビデオ通話を行い、登録者本人の顔と身分証写真を照合したり、提出書類の内容確認など簡単な質問が行われます。

全ての審査プロセスが完了すると、登録メールアドレスに「アカウントが有効になりました」という通知が届きます。

ここまで来ればセラーセントラルのアカウント登録は完了です。

Amazonセラーセントラルの初期設定

セラーセントラルの登録が完了したら次にいくつかの初期設定をおこないます。

Amazonセラーセントラルの初期設定リスト
  • 割賦販法上要求されている情報の提出
  • 銀行口座情報の登録
  • 出品者プロフィールの作成
  • 配送設定
  • 消費税の設定

割賦販売法上要求されている情報の提出

割賦販売法とは、クレジットカードを使った分割払いや後払い販売に関する法律です。

Amazonで購入者がクレジットカード決済をおこなうので、出品者はこの法律に基づいて事業者情報の提出が求められます。

これを提出しない限りAmazonでの販売はおこなえないので、必ず提出するようにしてください。

割賦販売法上要求されている情報の提出は、以下のようなアラートがセラーセントラルのトップに表示されるので、「同意して提出する」へと進みます。

下のような質問や事業者情報の提出が求められるので、全て埋めて送信を押すと完了です。

審査に10営業日ほどかかる場合があるので、登録直後におこないましょう。

銀行口座情報の登録

セラーセントラル右上の設定アイコンより「Accout Info」へと進みます。

支払い情報」タブの「銀行口座情報」より、銀行口座を設定します。

この口座は、Amazonから売上金が振り込まれる重要な口座となるため、誤入力がないよう慎重に登録してください。

出品者プロフィール

同じくセラーセントラル右上の設定アイコンより「Accout Info」→「ストア情報」タブから「出品者のプロフィール」へと進みます。

右上の「編集」ボタンを押し、ストア名や運営責任者名などを入力します。

ここはセラーセントラルに登録した情報が初期状態で登録されていますが、任意で変更可能です。

配送設定

同じくセラーセントラル右上の設定アイコンより「Accout Info」→「配送・返品情報」から、「配送設定」へと進みます。

配送方法や配送条件ごとの配送パターンの設定がおこなえます。

FBAだけを利用する場合、ここの設定は不要ですが、FBM(自社発送)を利用する場合には、詳細に設定しておく必要があります。

消費税の設定

同じくセラーセントラル右上の設定アイコンより「Accout Info」→「納税情報」より、「消費税の設定」へと進みます。

出品者様は、「日本で消費税の納税義務を負っていますか?」という質問に「はい」、「いいえ」を選択し、「はい」の場合は適格請求書発行事業者番号を入力します。

変更を保存」ボタンを押して設定は完了です。

出品プランの設定(大口出品または小口出品)

Amazonの出品プランには、大口出品プランと小口出品プランがあります。

大口出品プランは月額5,390円かかる一方、小口出品プランは月額料金はかかりませんが、1個販売するごとに110円の基本成約料がかかります。

販売数が増えるほど大口出品プランの方が有利ですが、販売戦略や利用できる機能にも違いがあります。

どちらのプランを選ぶべきかの詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。

出品プランは、以下の手順でいつでも切り替え可能です。

大口→小口もしくは小口→大口のプラン切り替えは、セラーセントラル右上の設定アイコン→「Account Info」→「Amazon出品サービス」よりおこなえます。

「サービスの管理」画面より、「大口出品」もしくは「小口出品」を選択して、変更を適用ボタンを押します。

これにより、出品プランの変更をおこなうことができます。

以上で基本的な初期設定は完了です。

セラーセントラルにログインできない時の対策

ログイン障害は以下のようなパターンが考えられます。

セラーセントラルにログインできない理由
  • パスワードを忘れた
  • 2段階認証トラブル
  • アカウント停止
  • アカウント乗っ取り
  • ネットワークやブラウザの問題
  • Amazon側のシステム障害

それぞれの対策方法を解説します。

パスワードを忘れた

パスワードを忘れた場合、セラーセントラルログイン画面の下、「お困りですか?」→「パスワードを忘れた場合」よりパスワードの再発行ができます。

2段階認証トラブル

電話を紛失したなど、2段階認証ができなくなってしまった場合は、2段階認証をリセットするしかないです。

2段階認証をリセットする」へのリンクはセラーセントラル用のものではなく、購入アカウント用のページですが、セラーセントラルのヘルプページでもこちらが案内されているので問題ありません。

出典:Amazon公式「2段階認証のよくある質問

身分証明書をアップロードするなどやや面倒ですが、これしか方法はありません。

アカウント停止

規約違反などによりAmazonからアカウント停止措置を受けた場合、セラーセントラルにログインできなくなります。

まずAmazonから届いている通知メールを確認しましょう。

停止の理由(例:出品ポリシー違反、知的財産権侵害、レビュー操作など)が記載されており、異議申し立て(アピール)の手順が案内されています。指示に従い、必要な是正措置や計画書を速やかに提出することが肝要です。

的確に対応すればアカウント再開の可能性があります。

アカウント乗っ取り

パスワードを変えていないのにログインできず、Amazonから特に停止通知もない場合、第三者によるハッキングの可能性があります。

この場合、急ぎAmazonテクニカルサポートへ連絡し状況を報告する必要があります。

ただし、通常のテクニカルサポートはログイン状態でないと利用できないため、ログインしていない状態でも利用可能な以下の公式ページから連絡します。

Amazon公式:セラーセントラルのテクニカルサポートページ

トピックで「Amazonセラーセントラルのアカウントにログインできません」を選択し、会社名やEメールアドレスを入力して、Amazonからの連絡を待ちます。

ネットワークやブラウザの問題

自宅やオフィスのネットワーク環境、または使用しているブラウザの不具合により、セラーセントラルにログインできない場合があります。

  • 別のブラウザやシークレットモードでのログインを試す
  • キャッシュやCookieを削除する
  • VPNやセキュリティソフトを一時的にオフにする
  • スマートフォンや別の回線でのアクセスを試す
  • 時間を空けて接続し直す

上記でも解決しない場合は、ネットワーク以外の問題である可能性が高いため、他の原因を疑いましょう。

Amazon側のシステム障害

Amazon側で一時的なシステム障害やメンテナンスが発生している場合、セラーセントラルにログインできないことがあります。

まずはSNSやネット掲示板で検索し、同じような状況の人がいないかを確認してみましょう。

公式の障害情報が出る前でも、他の出品者の投稿で状況が把握できることがあります。

売上拡大のための販売戦略

Amazonセラーセントラルを使いこなすことで業務効率は上がりますが、市場競争に勝ち抜き売上を伸ばすには戦略的な取り組みも重要です。ここでは、個人・中小事業者が実践すべきAmazon販売戦略のポイントを紹介します。

参入する市場の見極め

ただやみくもに商品を販売しても、十分な利益を上げることはできません。
まず重要なのは、自分が勝てる市場に参入することです。

勝てる市場を見つけるには、3C分析が有効です。3Cとは顧客(Customer)競合(Competitor)、自社(Company)のことを指します。

この3つの条件を満たす商品、つまり需要があり、競合が弱く、自社が提供できる商品は、下図の赤塗り部分にあたるバリュー・プロポジションと呼ばれます。

このバリュー・プロポジションに当てはまる市場を見つける必要があります。

言葉だけ見ると横文字ばかりで難しそうですが、要は市場が大きくて、競合が弱くて、自分でも参入できそうな市場を探せばいい、ということです。

差別化戦略

Amazonは参入障壁が低く誰でも出品しやすいため、競合が非常に多い市場です。

同じような商品が乱立し、価格競争に陥りやすい傾向があります。安易に価格を下げ続けると利幅がなくなりジリ貧になりかねません。

そこで重要なのが商品の独自性を出すことです。

つまり、自社オリジナルブランド商品を作って、機能やデザインで差別化し、「この商品はこのブランドでしか買えない」という付加価値を打ち出しましょう。

以下の記事で方法を全てお話ししているので、ぜひご覧ください。

販売施策

市場を見極めて商品を用意しただけでは、思ったような売上にはつながりません。

Amazonでは、販売戦略をしっかり設計し、複数の施策を組み合わせて実行することが重要です。

代表的な販売施策は以下のとおりです。

代表的な販売施策
  • 画像の最適化
    魅力的な画像でCVR(成約率)を高める
  • 広告運用
    Amazon広告を活用し、商品ページへのアクセスを増やす
  • セール・クーポン施策
    タイムセール、クーポン配布などで短期的な露出と購入率を上げる
  • 在庫と価格の最適化
    需要に合わせた在庫調整や、競合に応じた価格戦略で販売機会を逃さない
  • 横展開と縦展開

これらの施策を単発で行うのではなく、組み合わせて循環させることで、露出拡大 → アクセス → 購入 → 売上増という好循環を作ることができます。

まとめ:Amazonセラーセントラルでビジネスを加速しよう

ここまで、Amazonセラーセントラルの基本から応用まで幅広く解説してきました。

セラーセントラルは初心者から経験者まで、全ての出品者にとって強力な武器となるツールなので、機能をしっかり理解し使いこなすことで、日々の運営効率化と売上アップが期待できます。

初心者の方は最初はとまどうかもしれませんが、本記事や各種ヘルプを参考に、一つ一つ設定や機能を習得していってください。

Amazonという巨大市場には無限の販売機会があります。

セラーセントラルを活用し、しっかりとした販売戦略を組むことで莫大な利益を確保することができます。

さらに、当サイトではAmazonで大きな利益を得るオリジナル商品販売の方法も詳しく解説しています。

興味のある方は以下の記事もぜひご覧ください。

この記事を書いた人

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