Amazonに出品する際に、まず気になるのが「手数料はいくらかかるのか?」という点ですよね。
もちろん公式サイトを調べれば手数料の情報は載っているのですが、細かい情報があちこちに分散していて、「結局いくらかかるの?」という悩みが残りやすいのが現状です。
そこでこの記事では、Amazon出品にかかるすべての手数料を1ページにまとめ、出店手数料・販売手数料・FBA手数料・在庫保管料など、それぞれの内容をひとつずつ丁寧に整理しています。また、「結局、合計いくらになるのか?」を具体的なケースで計算しました。
初めて出品する方や、利益計算で迷っている方は、この記事ひとつで必要な情報がすべて把握できるようになっています。
Amazonに出品する際にかかる手数料の種類

Amazonで出品する際には、以下の4つの手数料がかかります。
- 出品手数料
- 販売手数料
- FBA配送代行手数料
- 在庫保管手数料
それぞれ詳しく説明していきます。
出品手数料

Amazonの2つのプランによる出品手数料の違い
Amazonへの出店では、「小口出品」か「大口出品」のいずれかのプランを選ぶ必要があります。この出品プランの違いによって「出品手数料」の仕組みも変わってきます。
小口出品プランでは、月額料金はかかりませんが、商品が1つ売れるごとに100円(税込110円)の基本成約料がかかります。
一方、大口出品プランは、月額4,900円(税込5,390円)の登録料が必要ですが、1個ごとの成約料は不要です。
単純に計算すると、月50個以上売るなら大口出品、それ未満なら小口出品の方が得ですが、大口出品には「広告が使える」などのメリットがあるので、ビジネスとして本格的に取り組む場合、基本的には大口出品一択となります。
ちなみにAmazonのヘルプページなどでは、同じページ内でも消費税あり・なしが混在していることがあります。他の手数料は税込みで表記してあることが多いのに、出品手数料は税抜きなので気をつけましょう。
出典:Amazon公式「出品にかかる費用」
Amazon出店の際の費用
Amazonでは出店時のまとまった初期費用(登録料などの一括費用)はかかりません。
大口契約の場合、月額5,390円の出品手数料が固定でかかる唯一の費用です。
販売手数料

販売手数料とは、商品が売れるごとにAmazonに支払う手数料です。
カテゴリーごとにパーセンテージ(〇%)が決まっていて、売上に応じて決められた割合の手数料が発生します。
カテゴリ別の販売手数料
カテゴリー別の手数料率は以下の表をご覧ください。
商品カテゴリ | メディア – 本、DVD、ミュージック、PCソフト、ビデオ | エレクトロニクス | パソコン・周辺機器 | 家電アクセサリ | Amazonデバイス用アクセサリ | 楽器およびAV制作機器 | ドラッグストア | ビューティ | 健康家電・理美容家電 | スポーツ&アウトドア | カー&バイク用品 | タイヤ | おもちゃ&ホビー | TVゲーム機本体 | TVゲーム&ゲーム用アクセサリ | ペット用品 | 文房具・オフィス用品 | ホーム&キッチン | ガーデニング・園芸用品 | ホーム&キッチン家電 | 小型家電 | 大型家電 | 家具 | マットレス | DIY・工具 | 産業・研究開発用品 | 業務用医療用品 | 食品&飲料 | ビール | 腕時計 | ジュエリー | ベビー&マタニティ | 服&ファッション小物 | アイウェア | シューズ | バックパック、ハンドバッグ、旅行かばん&トラベル用品 | その他のカテゴリー |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
販売手数料 | 15% | 750円以下の場合は5% 750円を超えると8% | 750円以下の場合は5% 750円を超えると8% | 750円以下の場合は5% 750円を超えると10% | 45% | 750円以下の場合は5% 750円を超えると10% | 750円以下の場合は5% 750円を超え1500円以下の場合は8% 1500円を超えると10% | 750円以下の場合は5% 750円を超え1500円以下の場合は8% 1500円を超えると10% | 750円以下の場合は5% 750円を超え1500円以下の場合は8% 1500円を超えると10% | 750円以下の場合は5% 750円を超えると10% | 750円以下の場合は5% 750円を超えると10% | 750円以下の場合は5% 750円を超えると10% | 750円以下の場合は5% 750円を超えると10% | 750円以下の場合は5% 750円を超えると8% | 15% | 750円以下の場合は5% 750円を超え1500円以下の場合は8% 1500円を超えると15% | 750円以下の場合は5% 750円を超えると15% | 750円以下の場合は5% 750円を超えると15% | 750円以下の場合は5% 750円を超えると15% | 750円以下の場合は5% 750円を超えると10% | 750円以下の場合は5% 750円を超えると8% | 750円以下の場合は5% 750円を超えると8% | 750円以下の場合は5% 750円を超えると15% | 750円以下の場合は5% 750円を超えると15% | 750円以下の場合は5% 750円を超えると15% | 750円以下の場合は5% 750円を超えると15% | 750円以下の場合は5% 750円を超え1500円以下の場合は8% 1500円を超えると10% | 750円以下の場合は5% 750円を超え1500円以下の場合は8% 1500円を超えると10% | 750円以下の場合は5% 750円を超えると6.5% | 750円以下の場合は5% 750円を超えると15% | 750円以下の場合は5% 750円を超え10000円以下の場合は10% 10000円を超える部分は6%追加 | 750円以下の場合は5% 750円を超え1500円以下の場合は8% 1500円を超えると15% | 750円以下の場合は5% 750円を超え2500円以下の場合は8% 2500円を超え3000円以下の場合は12% 3000円を超える部分は8%追加 | 750円以下の場合は5% 750円を超え3000円以下の場合は12% 3000円を超える部分は8%追加 | 750円以下の場合は5% 750円を超え7500円以下の場合は12% 7500円を超える部分は6%追加 | 750円以下の場合は5% 750円を超え7500円以下の場合は12% 7500円を超える部分は6%追加 | 750円以下の場合は5% 750円を超えると15% |
最低販売手数料 | 該当なし | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 該当なし | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 | 30円 |
出典:Amazon公式「出品サービスの手数料」
販売手数料の対象となる金額
販売手数料の対象となる金額は次の通りです:
- 商品の販売価格
- 配送料
- ギフト包装料
- 購入者が支払った消費税
そのため、「商品価格を安くして配送料を高くする」などの方法では、手数料を回避することはできません。
また、多くのカテゴリには最低販売手数料(30円)が設定されており、手数料率による金額と最低手数料のいずれか高い方が適用されます。
FBA配送代行手数料

FBAとは?
FBA (Fulfillment by Amazon)とは、商品をAmazonの倉庫に納品するだけで、商品の保管・梱包・配送・カスタマー対応など、あとはすべてAmazonが代行してくれるサービスのことです。
このFBAを利用するのにかかるのが、FBA配送代行手数料であり、商品が売れるごとに発生します。
サイズ区分別のFBA配送代行手数料
FBA手数料は、寸法(梱包済み商品の長さ、幅、高さの合計)と重量を合わせたサイズ区分により決定します。
サイズ区分は小型から特大型4までの21段階とかなり細かく設定されており、寸法と重量の両方の条件を満たしたうえで最安のものが適応されます。
サイズ区分別のFBA配送代行手数料は以下の表をご覧ください。
サイズ区分 | 小型 | 標準1 | 標準2a | 標準2b | 標準2c | 標準2d | 標準2e | 標準3 | 標準4 | 大型1 | 大型2 | 大型3 | 大型4 | 大型5 | 大型6 | 大型7 | 大型8 | 特大型1 | 特大型2 | 特大型3 | 特大型4 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
寸法 | 25cm x 18cm x 2.0cm以下 | 35cm x 30cm x 3.3cm以下 | 20cm以下 | 30cm以下 | 40cm以下 | 50cm以下 | 60cm以下 | 80cm以下 | 100cm以下 | 60cm以下 | 80cm以下 | 100cm以下 | 120cm以下 | 140cm以下 | 160cm以下 | 180cm以下 | 200cm以下 | 200cm以下 | 220cm以下 | 240cm以下 | 260cm以下 |
重量 | 250g以下 | 1kg以下 | 2kg以下 | 2kg以下 | 2kg以下 | 2kg以下 | 2kg以下 | 5kg以下 | 9kg以下 | 2kg以下 | 5kg以下 | 10kg以下 | 15kg以下 | 20kg以下 | 25kg以下 | 30kg以下 | 40kg以下 | 50kg以下 | 50kg以下 | 50kg以下 | 50kg以下 |
FBA手数料(価格が1000円超) | 288円 | 318円 | 413円 | 434円 | 455円 | 465円 | 485円 | 514円 | 532円 | 589円 | 624円 | 675円 | 781円 | 1,020円 | 1,100円 | 1,532円 | 1,756円 | 2,755円 | 3,573円 | 4,496円 | 5,625円 |
FBA手数料(価格が1000円以下) | 222円 | 252円 | 347円 | 368円 | 389円 | 399円 | 419円 | 448円 | 466円 | 523円 | 558円 | 609円 | 715円 | 954円 | 1,034円 | 1,466円 | 1,690円 | 2,689円 | 3,507円 | 4,430円 | 5,559円 |
※冷凍食品については、商品1点あたり税込で375円の手数料がFBA手数料に付加されます
出典:Amazon公式「FBA配送代行手数料」
FBAを利用しなければ手数料はかからない?
確かにFBAを利用しなければFBA配送代行手数料はかかりませんが、FBAを利用すると検索上位に表示されやすくなるなどのメリットが得られるので、ほとんどのケースでFBAを利用するべきです。
下の画像は、FBA手数料(+Amazon倉庫への配送費)が高くなりがちなサイズの大きいスーツケースですが、それでも検索上位に表示されている商品の大半はFBAを利用しています。

在庫保管手数料

在庫保管手数料は、AmazonのFBA倉庫に商品を保管するだけで毎月発生する手数料です。
カテゴリ、サイズ区分別の在庫保管手数料
商品カテゴリ、サイズ区分、時期、在庫保管の体積によって1日単位で計算され、月ごとに請求されます。
サイズ区分別の1か月ごと、1000cm3当たりのFBA配送代行手数料は以下の表をご覧ください。
服&ファッション小物、シューズ&バッグカテゴリを除くカテゴリ
月 | 小型・標準 | 大型・特大型 |
---|---|---|
1月~9月 | 5.676円 | 3.278円 |
10月~12月 | 10.087円 | 6.984円 |
服&ファッション小物、シューズ&バッグカテゴリ
月 | 小型・標準 | 大型・特大型 |
---|---|---|
1月~9月 | 3.10円 | 3.10円 |
10月~12月 | 5.50円 | 5.50円 |
出典:Amazon公式「在庫保管手数料」
小さい商品の例:財布(3cm×12cm×15cm)の場合
- カテゴリ:ファッション
- 容積:540cm3
- 個数:1000個
1~9月:3.10 ×{540cm3/1000cm3}× 1000(個)= 1,674円/月
10~12月:5.50 ×{540cm3/1000cm3}× 1000(個)= 2,970円/月
➡ 1年を通して平均すると、月あたり約2,000円の在庫保管手数料になります。
大きい商品の例:スーツケース(25cm×40cm×60cm)の場合
- カテゴリ:ファッション
- 容積:60000cm3
- 個数:1000個
1~9月:3.10 ×{60000cm3/1000cm3}× 1000(個)= 186,000円/月
10~12月:5.50 ×{60000cm3/1000cm3}× 1000(個)= 330,000円/月
➡ 1年を通して平均すると、月あたり約22万円の在庫保管手数料になります。
在庫保管手数料についてのまとめ
このように、在庫保管手数料は商品の大きさによって大きく違います。
- 小型商品なら、1点あたり数円〜十数円程度
- 大型商品になると、1点あたり数百円~数千円レベル
そのため、特に大型商品の場合は、在庫保管手数料も必ず計算に入れておく必要があります。
販促費
上記の4つの手数料に加え、Amazonの公式で「手数料」という名前ではないものの、販促費(広告やセール費用など)もAmazon販売の際には大きなコストがかかる項目です。
販売初期の段階では、広告やセールを活用しなければ検索結果に表示されず、商品がまったく売れないという状況に陥ってしまいます。
また、一度売れるようになっても、検索上位を維持するためには継続的な販促が必要になる場合が多いです。
広告費
広告費は代表的なものだと、以下のようなものがあります。
- スポンサープロダクト広告
- スポンサーブランド広告
- スポンサーディスプレイ広告
それぞれを利用する際に、広告費が必要になります。
セール関連費用
またAmazonが提供するセール施策に参加する際には、所定の手数料が発生します。
加えて、一定以上の割引率が参加条件として求められるため、直接的な手数料に加えて、値引きによる利益圧縮という形での「実質的な販促コスト」も発生することになります。
これら広告とセールを合わせた販促費は、商品やジャンルによって異なりますが、売上の10~20%程度が一般的です。
販促費もAmazon販売における重要なコストのひとつです。他の手数料とあわせて必ず考慮に入れておきましょう。
Amazon手数料のシミュレーション
上記のAmazon手数料を元に、いくつかの例でどれくらいの手数料がかかるのか、あるいはそれらの手数料は売上のどれくらいの割合になるのか計算していきます。
ケーススタディ①:財布

- 販売価格:3000円
- 仕入れ原価:1000円
- サイズ:3cm×12cm×15cm
- 月間販売個数:1000個
- 月間平均在庫数:1000個
- 販促費:売上の15%
※仕入れ原価=商品原価+Amazon倉庫までの配送料
財布1個当たりの販売手数料や比率は以下のようになります。
項目 | 金額 | 売上比率 |
---|---|---|
販売手数料 | 360円 | 12.0% |
FBA配送手数料 | 318円 | 10.6% |
在庫保管手数料 | 2円 | 0.1% |
販促費 | 450円 | 15.0% |
手数料合計 | 1,130円 | 37.7% |
仕入れ原価 | 1,000円 | 33.3% |
利益 | 870円 | 29.0% |
ケーススタディ②:スーツケース

- 販売価格:7000円
- 仕入れ原価:2500円
- サイズ:25cm×40cm×60cm
- 月間販売個数:1000個
- 月間平均在庫数:1000個
- 販促費:売上の15%
スーツケース1個当たりの販売手数料や比率は以下のようになります。
項目 | 金額 | 売上比率 |
---|---|---|
販売手数料 | 760円 | 10.9% |
FBA配送手数料 | 1,020円 | 14.6% |
在庫保管手数料 | 222円 | 3.17% |
販促費 | 1,050円 | 15.0% |
手数料合計 | 3052円 | 43.6% |
仕入れ原価 | 2,500円 | 35.7% |
利益 | 1,448円 | 20.7% |
手数料シミュレーションまとめ
財布とスーツケースの2商品について、Amazonで販売した場合にかかる手数料をシミュレーションしました。
勿論、同じ商品でも素材や品質、機能などが違うので、一概にこのような結果になるとは限らないのですが、ある程度の目安にはなると思います。
財布の場合は、Amazon手数料(販促費含む)が売上の37.7%、スーツケースの場合は43.6%といったように、決して安くはないお金を支払わないとAmazonで売上を作るのは難しいです。
これらの手数料は、よく“Amazonへの上納金”ともネタ的に言われるほどですが、裏を返せばそれだけAmazonで販売すれば売上を作りやすいということでもあります。
Amazon側の負担増加に伴う追加手数料
これまで説明してきた出品手数料、販売手数料、FBA手数料、在庫保管手数料+販促費(広告やセール)でAmazon販売におけるコストの95%以上はカバーできます。
しかし、実際の運用ではAmazonの負担増加に伴う追加手数料や、Amazonによる追加機能・支援サービスに伴う手数料なども別に存在します。
これらは発生しないことも多い手数料ですが、特に前者は知らないと思わぬコストにつながることもあるため、ここでまとめて解説しておきます。
まずは、Amazon側の負担増加に伴う追加手数料について解説していきます。
在庫保管追加手数料
売上高に対して過剰な在庫数を抱えている出品者に対しては、在庫保管追加手数料がかかります。
これは2024年6月1日から始まった比較的新しい制度であり、先述の基本の在庫保管手数料とも後述の長期保管手数料とも違うということには注意が必要です。
追加手数料の金額は、「在庫保管スペースの使用比率」に基づいて決まります。この在庫使用比率は、過去13週間の「1日あたりの平均在庫容積」を「1日あたりの平均出荷容積」で割った値です。
この在庫使用比率が26週を超えている場合に毎月、在庫保管追加手数料がかかります。
1000cm3当たりの在庫保管追加手数料は以下の表をご覧ください。
在庫使用比率 | 服&ファッション小物、シューズ&バッグ以外 | 服&ファッション小物、シューズ&バッグ | |
---|---|---|---|
小型/標準 | 大型/特大型 | 全てのサイズ | |
26~39週 | 1.462円 | 0.316円 | 0.817円 |
39~52週 | 3.997円 | 1.023円 | 3.645円 |
52週超 | 16.762円 | 3.842円 | 10.370円 |
なお、以下の出品者には在庫保管追加手数料は発生しません。
- 大口出品者であり、在庫保管使用率が26週以下の出品者
- 新規出品者(過去52週未満の間にはじめて在庫をAmazonに納品した出品者)
- 小口出品者
- 1日の平均在庫容積が0.71立方メートル未満の出品者
出典:Amazon公式「在庫保管手数料」
非常にややこしいことに、在庫使用比率が26「週」という単位になっているのは、「26週間在庫を保持していたら」という意味ではありません。
「1日あたりの平均在庫容積」を「1日あたりの平均出荷容積」で割った値が26週(26×7=182日)分以上になると在庫保管追加手数料が発生するということです。
例えば、1日の平均在庫容量が1000m3で、1日の平均出荷容量が5m3だとします。
この場合、1000m3÷5m3=200となり、182(26週×7日)を超えるので、在庫保管追加手数料が発生します。
目安として、在庫が月売上の6か月分を超えてくると在庫保管追加手数料が発生してしまうリスクがあるので、それ以下に抑える必要があります。
長期在庫追加手数料
在庫保管手数料、在庫保管追加手数料に加えて、長期間在庫を保有している場合には、長期在庫追加手数料(旧:長期保管手数料)がかかります。
長期在庫追加手数料はFBA倉庫に預けているそれぞれ個別の商品の保有日数が270日を超えた場合に、毎月発生します。
在庫保管追加手数料と長期在庫追加手数料は注意することで回避することが可能です。6か月分以上の在庫をFBA倉庫に保存しておかないことが重要です。
保有期間ごとの長期在庫追加手数料は以下の表をご覧ください。
保有期間 | 手数料(1000cm3あたり) |
---|---|
271~300日 | 16.662円 |
301~330日 | 17.475円 |
331~365日 | 18.085円 |
366日以上 | 34.239円 |
※保管期間が365日を超えているメディア商品は、商品1点あたり月額10円の最低長期在庫保管手数料の対象になります
出典:Amazon公式「長期保管手数料」
低在庫レベル手数料
低在庫レベル手数料とは、購入者の需要に対して在庫が少ない小型/標準サイズの商品に関して、商品ごとに発生する手数料です。
在庫保管追加手数料や長期在庫追加手数料は在庫が多すぎることによって発生する手数料ですが、一方で低在庫レベル手数料は在庫が少ないことによって発生する手数料です。
長期(直近90日間)および短期(直近30日間)の過去在庫日数の両方とも14日未満である場合に低在庫レベル手数料が発生します。
過去在庫日数は、1日の平均在庫数を1日の平均出荷点数で割って算出されます。
例えば、1日の平均在庫数が300個、1日の平均出荷数が10個の場合、
過去在庫日数は、300÷10=30となります。
この在庫日数が、長期(直近90日間)および短期(直近30日間)のどちらか片方が14以上であれば低在庫レベル手数料は発生しません。
サイズ区分ごとの低在庫レベル手数料は以下の表をご覧ください。
サイズ区分 | 過去在庫日数 7日未満 | 過去在庫日数 7~13日 |
---|---|---|
小型 | 9円 | 5円 |
標準1 | 9円 | 5円 |
標準2 | 22円 | 7円 |
標準3 | 22円 | 7円 |
標準4 | 22円 | 7円 |
標準5 | 22円 | 7円 |
標準6 | 22円 | 7円 |
標準7 | 22円 | 7円 |
標準8 | 30円 | 8円 |
※上記のサイズ区分はFBA配送代行手数料のサイズ区分に従います
以下のようなケースでは低レベル手数料は発生しません。
- 大型/特大型サイズの商品。
- 過去30日間に販売履歴のない商品。
- 新規大口出品者(最初の在庫受領日から365日間)。
- FBAを新規に利用する親商品(最初の在庫受領日から180日間)。この特典を受けるには、出品者はFBA新商品特典プログラムに登録する必要があります。
- 過去7日間の販売点数が20点未満の商品。
出典:Amazon公式「低在庫レベル手数料」
大量出品手数料
大量出品手数料は、出品中のSKU数(本・ミュージック・ビデオ・DVDを除く)が200万点を超えた場合に適用されます。
1か月のSKU数のうち200万点を超えた分に対し、1SKUあたり0.05円が課金されます。
基本的に出品数が200万点を超えることはないですが、自社発送の商品を非常に多く登録している一部の出品者は対象となる可能性があります。
出典:Amazon公式「大量出品手数料」
納品不備受付作業手数料
FBAへ商品を納品する際に、商品ラベルを貼っていない、梱包要件を満たしていないなどの場合、納品不備受付手数料が発生します。
問題ごとの納品不備受付作業手数料は以下の表をご覧ください。
問題 | 軽微 | 悪化 | 重大 |
---|---|---|---|
商品ラベル | 51円 | 81円 | 81円 |
テープでの梱包 | 51円 | 81円 | 81円 |
ビニール袋での梱包 | 92円 | 102円 | 102円 |
エアキャップでの梱包 | 92円 | 122円 | 122円 |
出典:Amazon公式「納品不備受領作業」
返金手数料
購入者によって返金処理された場合、返金手数料が発生します。
返金手数料は、500円または販売手数料の10%相当額のいずれか少ない方になります。
例えば、販売価格30,000円、販売手数料は12%の場合、返金手数料はその10%相当額になるので、30,000円×12%×10%=360円となります。
出典:Amazon公式「返金手数料の算出例」
返送/所有権の放棄手数料
FBA在庫の商品を返送または所有権の放棄をするのにかかるのが、返送/所有権の放棄手数料です。
これは商品が返品され、Amazonにより「再販不可」と判定された場合などに利用される手続きです。
返送と所有権の放棄はいずれも同額の手数料がかかるため、完全に不要な場合を除き、基本的には返送を選ぶのが望ましいです。
実際には、Amazonで「再販不可」と判断された商品でも、実際には問題がないケースがよくあります。いったん返送した後、検品して問題がない場合は、改めてAmazon倉庫へ再納品するといいです。
サイズ、重量ごとの返送/所有権の放棄手数料は以下の表をご覧ください。
サイズ | 重量 | 手数料(商品あたり) |
---|---|---|
小型/標準 | 0~200g | 60円 |
201~500g | 90円 | |
501~1,000g | 1当たり | |
1001g~ | 200円+1kgを超える分は1gあたり0.085円 | |
大型/特大型 | 0~500g | 170円 |
501~1,000g | 220円 | |
1,001~2,000g | 310円 | |
2,001~5,000g | 520円 | |
5001g~ | 870円+5kgを超える分は1gあたり0.1円 |
出典:「FBA在庫の返送/所有権の放棄手数料」
Amazonによる追加機能・支援サービスに伴う手数料
これから説明するのは、Amazonによる追加機能・支援サービスに伴う手数料で、Amazonやそのパートナー企業からサービスを受けるときだけ発生する手数料です。
必ずしも発生するわけではありませんが、知っておくと便利なことも多いです。
Amazonによる追加機能・支援サービスに伴う手数料をそれぞれ解説していきます。
商品ラベル貼付サービスの手数料
FBAを利用して販売する際には、メーカーバーコードとは別に、FBA専用の納品ラベルを貼り付ける必要があります。
これは自分で貼り付けても問題ありませんが、Amazonが商品ラベルの貼り付けを代行してくれるサービスがあります。
その際に発生するのが商品ラベル貼付サービスの手数料です。
商品ラベル貼付サービスの手数料は以下の表を参照してください。
サイズ区分 | 手数料 |
---|---|
小型/標準 | 22円 |
大型 | 51円 |
出典:Amazon公式「商品ラベル貼付サービス」
FBA梱包サービス手数料
FBAで販売する際には、商品が個別梱包されている必要があります。
また、液体を含む商品はビニール袋に入れる必要があるなどの梱包要件を満たす必要があります。
FBA梱包サービス手数料は、このような商品の梱包、準備をAmazonが代行してくれるサービスにかかる手数料です。
サイズごと、梱包要件ごとのFBA梱包手数料は以下の表を参照してください。
梱包要件 | 小型/標準サイズ | 大型サイズ |
---|---|---|
ビニール袋 | 28円 | 99円 |
テープ | 24円 | 60円 |
エアキャップ (商品ラベル貼付を含む) | 88円 | 154円 |
※エアキャップの場合は商品ラベル貼付サービスが自動的に含まれます
出典:Amazon公式「FBA梱包サービス」
Amazonが準備してくれるのは質素な袋やテープなので、お客さんに届いたときの印象があまりよくありません。
そのため、基本的にはこのサービスは利用せずに自社のパッケージを用意することをおすすめします。
FBAパートナーキャリア輸送手数料
出品者は、FBAへの納品時に大幅な割引料金を受けられる、FBAパートナーキャリアサービスを利用することができます。
このFBAパートナーキャリア配送手数料は、特にヤマト運輸の場合は、通常の配送手数料の半額以下なので、配送特約を持っていない初心者の方の場合は利用しない手はありません。
FBAパートナーキャリア配送手数料は以下の表を参照してください。
サイズ | 距離 | パートナーキャリア | 基本運賃 |
---|---|---|---|
140サイズ | 関東-関東 | 608円 | 2,190円 |
関東-関西 | 857円 | 2,310円 | |
160サイズ | 関東-関東 | 762円 | 2,510円 |
関東-関西 | 1,121円 | 2,630円 |
出典:ヤマト運輸「FBAパートナーキャリアサービス」
クーポン手数料
クーポン手数料は、商品の割引クーポンを利用する際にかかる手数料です。
以前はクーポン付きで販売された商品1点あたり60円の手数料でしたが、2025年6月2日より手数料体系が変更されているので注意が必要です。
新料金体系では、 クーポン1回ごとの定額150円+引き換え済みのクーポンによる売上の1.5%が請求されます。
つまりあるクーポンを作成して3,000円の商品を100個販売した場合、
150円+3,000円×100個×1.5%=4,650円の手数料がかかるということになります。
出典:Amazon公式「クーポン手数料」
Amazon Vine手数料
Amazon Vineとは、Amazonが選定した信頼性の高いレビュアーを招待し、新商品のレビュー(意見)を投稿してもらう公式プログラムです。
必ずしもよいレビューを貰えるとは限りませんが、レビュー数を増やす意味では有効な施策です。
Amazon Vine手数料は以下の表をご覧ください。
登録済みの商品数 | Amazon Vine登録手数料 |
---|---|
1~2点 | 0円 |
3〜10点 | 10,000円 |
11~30点 | 22,000円 |
出典:Amazon公式「Amazon Vine」
ここでいう「登録済み商品数」は親ASIN(商品ページ)ごとの商品数です。
例えば、色違いの財布を3色展開して同じ商品ページに出品する場合、商品数は「3」となります。
そしてAmazon Vine手数料はレビューしてくれた数に関係なく、登録した商品数に応じて請求されます。
FBAマルチチャネル手数料
楽天や自社ECなど、Amazon以外の販路で売れた商品に関してもFBAの倉庫から発送してくれるサービスがFBAマルチチャネルです。
そのFBAマルチチャネルにかかる手数料は以下の表をご覧ください。
サイズ区分 | 注文品数 | 小型 | 標準1 | 標準2a | 標準2b | 標準2c | 標準2d | 標準2e | 標準3 | 標準4 | 大型1 | 大型2 | 大型3 | 大型4 | 大型5 | 大型6 | 大型7 | 大型8 | 特大型1 | 特大型2 | 特大型3 | 特大型4 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
通常配送 | 注文あたり 1商品 | 550円 | 570円 | 612円 | 632円 | 652円 | 662円 | 678円 | 810円 | 992円 | 912円 | 922円 | 1,102円 | 1,240円 | 1,283円 | 1,378円 | 2,035円 | 2,276円 | 4,330円 | 4,779円 | 6,643円 | 8,060円 |
注文あたり 2商品以上 | 430円 | 450円 | 520円 | 520円 | 520円 | 520円 | 520円 | 590円 | 839円 | 721円 | 731円 | 848円 | 1,018円 | 1,251円 | 1,378円 | 2,035円 | 2,276円 | 4,330円 | 4,779円 | 6,643円 | 8,060円 | |
お急ぎ便 | 注文あたり 1商品 | 595円 | 615円 | 630円 | 651円 | 672円 | 678円 | 688円 | 887円 | 1,042円 | 957円 | 968円 | 1,158円 | 1,302円 | 1,347円 | 1,447円 | 2,137円 | 2,674円 | 4,547円 | 5,018円 | 6,975円 | 8,463円 |
注文あたり 2商品以上 | 510円 | 530円 | 592円 | 592円 | 592円 | 592円 | 592円 | 694円 | 881円 | 765円 | 775円 | 890円 | 1,068円 | 1,313円 | 1,447円 | 2,137円 | 2,674円 | 4,547円 | 5,018円 | 6,975円 | 8,463円 | |
お届け日時指定便 | 注文あたり 1商品 | 619円 | 640円 | 656円 | 677円 | 698円 | 705円 | 716円 | 923円 | 1,084円 | 995円 | 1,007円 | 1,204円 | 1,354円 | 1,401円 | 1,505円 | 対応なし | 対応なし | 対応なし | 対応なし | 対応なし | 対応なし |
注文あたり 2商品以上 | 530円 | 552円 | 616円 | 616円 | 616円 | 616円 | 616円 | 721円 | 916円 | 796円 | 806円 | 926円 | 1,111円 | 1,366円 | 1,505円 | 対応なし | 対応なし | 対応なし | 対応なし | 対応なし | 対応なし |
※注文あたり2商品以上に記載されている手数料は発送1商品ごとに適用されます
出典:Amazon公式「マルチチャネルサービス出荷依頼のFBA配送代行手数料」
まとめ

Amazonで販売する際の主要な手数料は以下の4つです。
- 出品手数料
- 販売手数料
- FBA手数料
- 在庫保管手数料
これに販促費(広告やセール費用)を含めた5項目で、Amazonの大半の手数料について説明できます。
そしてこれら5項目のコストをいくつかの商品でシミュレーションした結果が以下の画像です。


このように、販促費まで含んだAmazonの手数料は、商品売上の20%~50%と非常に大きな費用になります。
また、他にもAmazonの負担増加に伴う追加手数料や、Amazonによる追加機能・支援サービスに伴う手数料などが存在し、それらを含めて一覧にしたものが以下の表になります。
Amazon手数料 | 説明 |
---|---|
出品手数料 | Amazonで出品する際に発生する手数料。 大口で月額5,390円、小口で1商品につき110円。 |
販売手数料 | 商品が売れた時、カテゴリによって一定のパーセンテージが手数料として発生する。 |
FBA配送代行手数料 | Amazonが発送の代行をする場合に発生する手数料。 サイズや重量で料金が決まる。 |
在庫保管手数料 | FBA倉庫に在庫を保有することによってかかる手数料。 体積が大きい商品ほど大きなコストに。 |
販促費 | 広告費やセールのコスト。 |
在庫保管追加手数料 | 過剰な在庫数を抱えている場合に追加でかかる在庫手数料。 |
長期在庫追加手数料 | 長期間在庫を保有している場合に追加でかかる在庫手数料。 |
低在庫レベル手数料 | 在庫が少なすぎる場合にかかる手数料。 |
大量出品手数料 | あまりにも多くの商品を出品しすぎた場合にかかる手数料。 |
納品不備受付作業手数料 | 納品時の不備に対して罰則的に請求される手数料。 |
返金手数料 | 返金があった際に発生する手数料。 |
返送/所有権の放棄手数料 | FBA倉庫にある商品の返送/所有権をする際にかかる手数料。 |
商品ラベル貼付サービスの手数料 | 商品ラベル貼付けをAmazonに代行してもらう場合に発生する手数料。 |
FBA梱包サービス手数料 | Amazonに梱包を代行してもらう場合にかかる手数料。 |
FBAパートナーキャリア輸送手数料 | ヤマト運輸などのパートナーキャリアを使ってFBA倉庫に商品を納品する際にかかる配送手数料。 |
クーポン手数料 | クーポンを発行、もしくはクーポンを使って商品が購入された際に発生する手数料。 |
Amazon Vine手数料 | Amazon Vineサービスを使ってレビューを書いてもらうために支払う手数料。 |
FBAマルチチャネル手数料 | マルチチャネルサービスを使って、他ECで売れた商品を発送する際にかかる手数料。 |