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ロゴデザイン制作の費用相場|制作会社と個人フリーランスなどを比較

企業やブランドのロゴデザインを制作してもらいたいけど、「いくらかかるの?」「どこに依頼すればいいの?」 そんな悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。

しかし、検索結果に出てくる多くの解説サイトは、デザイン会社や仲介業者が運営しており、自社の料金体系を正当化する内容にどうしても偏りがちです。実際の料金相場を知りたい人にとっては、やや参考にしづらいのが現実です。

この記事では、これまでに20件以上のロゴ制作を発注してきた立場から、ロゴデザインのリアルな相場感と格安かつ高品質に仕上げるためのノウハウを分かりやすく解説します。

目次

ロゴデザイン制作の費用相場はいくら?

ロゴデザインの費用は、依頼・募集先の種類によって大きく異なります。

まずは代表的な4つの依頼先ごとの相場と特徴を把握しておきましょう。

依頼・募集先相場の目安特徴
クラウドソーシング1~5万円最安だが実力はピンキリ
個人フリーランス3~10万円作風や技量が確認できる
デザイン会社5~30万円チーム体制で安定
ブランディング会社50万円以上ロゴは設計全体の一部

クラウドソーシングも本来「個人フリーランス」に含まれますが「自分で募集するケース」と「特定のフリーランスに直接依頼するケース」で価格帯などが異なります。

そのため本記事では、「クラウドソーシングで募集」と「個人フリーランスに依頼」に分けて解説します。

クラウドソーシングで募集する場合

クラウドソーシングは費用面では魅力的ですが、品質や信頼性には注意が必要です。

メリット
  • 1~5万円前後とコストが安い
  • 多くの応募者の中から選ぶことができる
  • 買い手市場なので、料金や納期、その他の条件などは発注者側が決められる
デメリット
  • 優秀なデザイナーを見つけるのが難しい
  • テンプレート的なデザインになりがちで、オリジナリティに欠けることもある
  • やり取りがスムーズにいかず、途中で連絡が取れなくなるなどのトラブルが起こる場合もある

クラウドワークスなどのクラウドソーシングサイトで募集する時の相場は、1~5万円前後です。

クラウドソーシングは完全に買い手市場なので、募集すればかなりの人数集まります。

上の画像は私がクラウドワークスで2万円で募集した時のものですが、100件近い提案が簡単に集まりました

人数は集まるのですが、クラウドソーシングサイトに登録しているデザイナーは、全くの初心者から月100万円以上売り上げている人までいて、実力はピンキリです。

そのため、いかにして優秀なデザイナーを見つけるかが最大の鍵となります。

うまく選べば、コストを抑えながら高品質なロゴを手に入れることができます。

逆にうまく選べないと「安かろう悪かろう」になってしまうので注意が必要です。

クラウドソーシングでいいデザイナーを見つけるためには「コンペ形式」で募集することがおすすめですが、これについては後ほど解説します。

個人フリーランスに依頼する場合

クラウドソーシングサイト以外で個人のフリーランスデザイナーに直接依頼する方法もあります。

個人フリーランスのデザイナーは、SNSやポートフォリオサイト、ブログ、知人の紹介などを通じて依頼することが一般的です。

メリット
  • 実績や作風を十分に確認したうえで依頼できるため、クオリティのミスマッチが起こりにくい
  • やり取りが柔軟でスピード感がある場合が多く、修正対応などもスムーズ
  • 制作会社よりも安く、満足度の高いロゴが手に入ることもある
  • 契約書の作成についてはこちらが主導しないといけないことが多い
  • 人気が高いフリーランスは、納期や修正などの柔軟性が低い場合がある

個人フリーランスに依頼する場合の相場は、3~10万円前後です。

クラウドソーシングと違い、発信内容や過去のポートフォリオ(作品集)をもとに選べるのが大きなメリットです。

クラウドソーシングもポートフォリオを公開する機能はあるのですが、実際にはあまり活用されておらず、情報が少ないことが多いのが実情です。

フリーランスのデザイナーに依頼する場合は、ポートフォリオをじっくり見て選べる分、自分が想定していた仕上がりになることが多いです。

また、価格もデザイン会社ほど高額ではなく、やり取りのスピード感や修正対応の柔軟さにも優れているケースが多く、コストパフォーマンスを重視したい人には魅力的な選択肢です。

ただし、著作権の取り扱いなどについての契約を結ぶ際には、こちらから主導して契約書の準備をする必要があるなど、デザイン会社よりも手間がかかる可能性があります。

また、人気が高いフリーランスほど料金が上がる傾向があり、柔軟な対応もしてくれないケースが多いです。

そういった実力派デザイナーは、料金体系や制作体制の面で、この後説明する「デザイン会社」に近いスタイルで活動していることも多く、その分だけ価格面や柔軟性などの“小回り”は利きにくくなる傾向があります。

デザイン会社に依頼する場合

コスパよりも品質や信頼性の高さを重視する人は、デザイン会社に依頼するのがおすすめです。

メリット
  • チーム体制で制作するため、安定感と信頼性が高い
  • 契約書など法人向けの対応が整っている
  • 最低限のクオリティが担保されており、一定以上の仕上がりが期待できる
デメリット
  • 費用が高め
  • スピード感や柔軟性に欠けるケースがある
  • 担当者によって作風や技量に差があり、完成したデザインがイメージとずれることもある

デザイン会社に依頼する場合の相場は、一般的に5〜30万円前後が目安です。

クラウドソーシングやフリーランスとは異なり、プロジェクト単位でチームが組まれるため、費用はやや高めになります。

特に法人向けをメインにしている会社では、あらかじめ納品の手順・修正対応・著作権の扱いなどが明確に定められており、やり取りの手間を最小限に抑えたい人にとっては安心感のある選択肢と言えるでしょう。

一方で、柔軟な対応が難しい修正回数が限られている対応スピードが遅いなど小回りが利きづらい面もあります。

また、担当するデザイナーの作風や技量に差があるため、場合によっては希望と異なる仕上がりになることもあります。多くのケースでは、発注者側がデザイナーを指名することはできないか指名できても費用が高くなります。

とはいえ、デザイン会社の場合はそれなりに知名度のあるところであれば、極端に低品質な成果物が納品される可能性はほとんどありません

総じて、ある程度の予算をかけてでも業務の安定性信頼性を重視したい方にとっては有力な選択肢となるでしょう。

ブランディング会社に依頼する場合

ブランディング会社では、ロゴを単なるデザインではなく、ブランド戦略の一部として設計します。企業の理念や強み、ターゲット像などを言語化したうえで、それを「見た目」に落とし込むのが特徴です。

ロゴだけを依頼するのではなく、キャッチコピーやブランドガイドライン、ビジュアル展開、社内への浸透施策など、全体を通してブランドを構築するのが基本的なスタンスです。

メリット
  • 企業のビジョンや価値観を言語化した上で、ロゴに一貫した意味と戦略を持たせられる
  • ロゴに加えWebサイト・スローガン・パッケージデザインなどブランド全体の統一感を作れる
  • ブランド戦略に基づいた長期的・本質的なデザイン設計ができる
デメリット
  • 費用は50万〜数千万円以上と非常に高額
  • ロゴだけを依頼するような軽量な相談には向かない

ブランディング会社に依頼する場合の相場は、おおよそ50万円〜数千万円以上と非常に高額です。

これはブランディング会社に依頼する場合は、単なるロゴデザインの作成にとどまらず、Webサイト・スローガン・パッケージデザインなども含むブランド全体の設計を行うからです。

例えば、以下はブランディングファーム「Takram」が、日本経済新聞社のブランディング支援を行った際の事例です。

Takramは、日本経済新聞社のコーポレートブランディングパートナーとして、日経ブランドガイドラインの制定、コーポレートロゴや日本経済新聞横題字のリファイン、社員向けブランドサイトの構築、および社内案件のデザインサポートなどを行いました。

このように、「ロゴ=ブランドの象徴」として、社内外に一貫した世界観を築く支援を行うのがブランディング会社の役割です。

これからブランド全体を構築し直したい、企業イメージを一新したい、といったケースでは非常に強力な選択肢になりますが、「とりあえずロゴをひとつ作りたい」といったケースではややオーバースペックになりがちです。

目的・予算別のおすすめ依頼先

目的・予算別のおすすめ依頼先をまとめました。(クリックで各項目にジャンプできます)

コストを抑えつつ、それなりにちゃんとしたロゴを作りたい方(5万円以下)

→クラウドソーシングの「コンペ」がおすすめ!

ロゴにこだわりはあるけど、そこまでコストはかけられない方(10万円以下)

→時間をかけて自分に合った個人フリーランスを見つけて依頼するのがおすすめ!

作風への強いこだわりはないが、信頼性と品質の安定性を重視する方(20万円以下)

→それなりに知名度があるデザイン会社に依頼するのがおすすめ!

とにかく作風にもクオリティにもこだわる方(30万円以上)

→有名なデザイナーに依頼するのがおすすめ!

それぞれ方法などを詳しく説明していきます。

コストを抑えつつ、それなりにちゃんとしたロゴを作りたい方(5万円以下)

スタートアップの企業のロゴなど、コストはそんなにかけられないけど、それなりに見栄えのするロゴがほしいという方には、クラウドソーシングサイトの「コンペ」がおすすめです。

コンペとは、あらかじめ予算や条件を提示し、複数のデザイナーからデザイン案を募る方式です。その中から最も優れた案を選び、採用者のみに報酬を支払う仕組みになっています。

優秀なデザイナーを見つけるには、実際に仕事をしてもらうのが一番確実、というある意味で身も蓋もない方法ですが、その分だけ実用性が高いです。

たくさんの案の中から選べる効果は絶大で、想像以上にいいロゴデザインができます。正直なところ、ほとんどの人にとっては、この方法がもっとも現実的でコストパフォーマンスの良い選択肢だと思います。

コンペの報酬はいくらに設定するべきか

コンペで集まった人数

上の画像は私が実際にコンペを行った時のものです。上側が1万円で募集したケース、下側が2万円で募集したケースになります。

1万円では流石に集まる人数が少なく、クオリティも高くありませんでした。流石にここまで安いとダメなようです。

一方で、2万円で実施したコンペには、91件と2倍以上の応募が集まり、全体的なクオリティも明らかに向上しました。最終的に採用したロゴも、非常に満足度の高い仕上がりとなり、十分に実用レベルでした。

この経験からも、安くてそれなりに見栄えのするロゴを作りたい方には、2万円〜5万円程度の予算でコンペを開催するのが最もおすすめです。

おすすめのクラウドソーシングサイト

コンペを行う際は、クラウドワークスの利用をおすすめします。

ランサーズなど他のクラウドソーシングサービスもありますが、クラウドワークスは会員数が約2.5倍と圧倒的に多く、より多くの提案を集めやすいのが利点です

「どのサイトを使えばクオリティが高くなるのか?」と気にする方もいるかもしれませんが、登録に特別な審査があるわけではないため、サイト間でクオリティの差はほとんどありません。

であれば、母数が多い方が優れたデザイナーと出会える可能性も高くなるため、クラウドワークスを選ぶのが合理的です

コンペを行う方法

クラウドワークスのトップ画面「新しい仕事を作成」へと進みます。

依頼したい仕事を選びましょうの部分は「デザイン」「ロゴ作成」、依頼の形式は「コンペ」を選択します。

これによりコンペ形式で募集することができます。

クラウドワークス ロゴ作成の方法
クラウドワークス コンペ形式

ロゴにこだわりはあるけど、そこまでコストはかけられない方(10万円以下)

ロゴにはある程度こだわりたいものの、できれば10万円以下に抑えたいという方には、時間をかけて自分に合った個人フリーランスを探して直接依頼する方法がおすすめです。

個人フリーランスの場合は、デザイナーの作風を事前に確認した上で依頼できるため、「思っていた雰囲気と違う」といったズレが起こりにくく、こだわりがある人にとっては、実はデザイン会社よりも満足度の高い仕上がりが期待できる依頼先でもあります。

探し方①:X(旧Twitter)で探す

Xで「ロゴデザイン」、「ロゴデザイナー」などのキーワードで検索すると、数多くのフリーランスのデザイナーが見つかります。自分が気に入った作風の人を選ぶといいでしょう。

Xで活動しているロゴデザイナーはちゃんとポートフォリオなどを載せていることが多いので、時間をかけて選定すれば自分に合ったデザイナーに出会えるでしょう。

探し方②:パッケージから選ぶ

ココナラランサーズでは、デザイナーがあらかじめ内容・価格を決めて出品している「パッケージ形式」でもロゴ制作を依頼できます。

パッケージ出品者はポートフォリオや実績を掲載していることが多く、依頼前に作風や価格を確認できる点が安心です。レビューも確認できるため、ある程度安心して依頼することができます。

作風への強いこだわりはないが、信頼性と品質の安定性を重視する方(20万円以下)

作風や細かなこだわりはないものの、信頼性や品質の安定性を重視したい、つまり「難しいことは考えたくないのである程度お金を払うからきちんとしたロゴを納品してほしい」という方にはデザイン会社に依頼するのがおすすめです。

デザイン会社に依頼する際のデメリットは、(特に安価なプランでは)制作者を自分で選べないことです。

とはいえ、作風や細部に強いこだわりがないのなら大きな問題にはならないので、その場合はデザイン会社に丸投げするのが一番手っ取り早いです。

例えば、下の画像のビズアップのように無料で3案提案してもらって「気に入ったものがあればお金を払って納品してもらう」という形式のデザイン会社もいくつかあるので、そういう所に気軽に依頼してみるといいと思います。

引用:https://www.biz-up.biz

とにかく作風にもクオリティにもこだわる方(30万円以上)

作風もクオリティもとにかくこだわりたいという方は、高いお金を払って有名デザイナーに依頼しましょう。

とはいえ、このレベルになると「金額と品質が比例する」わけではなく、「誰に作ってもらったか」というブランド価値が大きなウエイトを占めるようになります。

ほとんどの方にとっては、ここまで高額な依頼をする必要はなく、前述したクラウドソーシングや個人フリーランス、デザイン会社などの方法で十分です。

余談ですが、過去に報じられた中で最も高額なロゴデザイン費は、英国放送協会(BBC)のロゴで、なんと2億円以上とも言われています。

また、盗作問題などで話題になった東京オリンピック2020のロゴは、コンペ形式で制作され、優勝者への賞金は100万円でした。このくらいの金額が出せれば、国を動かすレベルのロゴも夢ではない…かもしれません。

引用:https://www.bbc.com
引用:https://www.olympics.com

ロゴデザイン制作の際の注意点

ロゴデザイン制作の契約をするときには注意する点がいくつかあります。

  1. 納期、修正回数などを事前に確認する
  2. 著作権の取り扱いに注意する
  3. 著作人格権についての条項を設ける
  4. AIデータ(Illustrator形式)をもらう
  5. フォントのライセンスに注意

1つ1つ説明していきます。

納期、修正回数などを事前に確認する

事前に納期や修正回数についてお互い合意していないと後で揉める可能性があります。

必ず行っておいてください。

著作権の取り扱いに注意する

ロゴを商用利用・販売などするためには、著作権の譲渡使用許諾が必要です。

基本的には、著作権の譲渡をしてもらった方がいいですが、デザイン会社などの場合は追加の料金がかかることがあるので、その場合は使用許諾で妥協するしかないかもしれません。

自分で契約書を作る場合は、「著作権は買い手側に譲渡される」ことを明記しましょう。

著作者人格権についての条項を設ける

著作人格権とは、以下のような権利のことです。

  • 氏名表示権(名前を出す・出さないを決める権利)
  • 同一性保持権(勝手に改変されない権利)
  • 公表権(いつ世の中に出すかを決める権利)
  • 名誉・声望保持権(自分の評判を傷つけられない権利)

「著作人格権を行使しない」という条項を設定しておかないと、自由にロゴを使用したり、修正を加えたりということができなくなってしまいます。

また、著作人格権は著作権と違って譲渡はできないので、「デザイナーは本件制作物に関して著作者人格権を行使しないものとする」というように行使しないというような条項にしておく必要があります。

これもまたデザイン会社が相手の場合だと拒否される可能性のある項目です。

AIデータ(Illustrator形式)をもらう

Illustratorで編集、書き出しなどできるAIデータをもらっておかないと、後で商品などに合わせて色味などの修正が困難になってしまいます。

そのため、必ずAIデータはもらっておいてください。

それからIllustratorなどが利用できる状態でない方は、即時にロゴを利用できるようにするためにPNGやJPG形式のファイルを受け取っておくといいでしょう。

フォントのライセンスに注意

使用フォントが商用ライセンスに対応しているかを事前に確認しましょう。

特にロゴ用途の場合は、有料ライセンスが必要な場合があります

不安があれば、「使用フォント名」と「商用利用の可否」を確認しておくと安全です。

まとめ

ここまで、ロゴデザインの費用相場や依頼先の選び方について解説してきました。

最後に、簡単に内容を振り返っておきましょう。

依頼先ごとの費用相場

依頼・募集先相場の目安
クラウドソーシング1~5万円
個人フリーランス3~10万円
デザイン会社5~30万円
ブランディング会社50万円以上

目的・予算別のおすすめ依頼先

コストを抑えつつ、それなりにちゃんとしたロゴを作りたい方(5万円以下)

→クラウドソーシングの「コンペ」がおすすめ!

ロゴにこだわりはあるけど、そこまでコストはかけられない方(10万円以下)

→時間をかけて自分に合った個人フリーランスを見つけて依頼するのがおすすめ!

作風への強いこだわりはないが、信頼性と品質の安定性を重視する方(20万円以下)

→それなりに知名度があるデザイン会社に依頼するのがおすすめ!

とにかく作風にもクオリティにもこだわる方(30万円以上)

→有名なデザイナーに依頼するのがおすすめ!

ロゴデザイン制作の際の注意点

  1. 納期、修正回数などを事前に確認する
  2. 著作権の取り扱いに注意する
  3. 著作人格権についての条項を設ける
  4. AIデータ(Illustrator形式)をもらう
  5. フォントのライセンスに注意

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